店頭販促を手掛ける株式会社アルファは、全国の20歳から59歳を対象に実施した「消費税減税に関する意識調査2026」の結果を2026年8月31日に公表した。事前調査4,411名、本調査662名による調査で、食料品を対象とした減税について、店内飲食10%と持ち帰り1%という税率差まで知っていた人は31.4%にとどまった。一方で、昼食に1,000円をかける想定で選択肢を尋ねると、税率の低い「自炊」24.9%と「スーパー等の惣菜・弁当」18.9%が、「店内飲食」の13.6%を上回った。価格差が見えるほど中食や自炊に動く傾向が読み取れる内容だ。
まず認知面では、減税を何らかの形で知っている層が約8割に達している。ただし前述の通り、どこがどう得になるのかという税率差の理解は31.4%にとどまり、制度の存在は広く知られていても中身の理解は途上にある。売場で価格の差を平易に見せられるかどうかが購買行動を左右する、という示唆につながる数字だ。
回答者の属性にも触れておきたい。世帯構成は単身が21%、夫婦のみが22%で、少人数世帯が全体の約4割を占めた。世帯規模が小さいほど1回あたりの食費も小さく、減税の実感には世帯タイプによる差が出やすい。また食料品の買い物や準備に「主に自分」が関わる人は49.8%、「分担している」が21.2%で、合わせて約7割が食の準備に関与している。売場での訴求が意思決定に直接届く層が多数を占める構図だ。
減税そのものの受け止め方も、素直な歓迎一色ではない。最多は「ありがたいが値上げで相殺されそう」の32.1%で、「2年で戻るなら生活は変えない」も23.5%を占めた。「家計が助かるので歓迎」は14.8%にとどまる。減税単体では消費が動きにくいことを示す結果といえる。
現状の食生活を見ると、主役は明確に自炊だ。週4回以上が47.3%と突出し、外食の店内利用は「月1回から3回」の23.6%が中心で、日常使いは限られている。惣菜や弁当といった中食が自炊を補う構図だ。減税後の見込みでも自炊が最多である点は変わらないものの、週4回以上は41.1%とやや薄まり、浮いた分が外食や中食へ緩やかに分散する可能性が示された。
冒頭の昼食1,000円の設問は、税率差が具体的に効いた場面を映している。持ち帰り側が上位に並び、店内飲食が下回る結果となったことで、外食は価格以外の価値がなければ選ばれにくい局面に入る。では何が価値になるのか。割高でも外食に価値を感じる点としては「出来立て・プロの味」が47.7%で最多、次いで「調理・後片付けが不要」が41.7%。最も重要な1点に絞ると「出来立て・プロの味」が41.2%と突出し、他の要素を大きく引き離した。自分では作れない味と、手間からの解放という2つが軸になっている。
中食に目を移すと、小売にとって追い風となる数字が並ぶ。中食を増やす先として最も多かったのは「スーパーの惣菜・弁当」の50.2%で過半を占めた。「飲食店テイクアウト」32.3%、「弁当・惣菜チェーン」29.5%が続く。日常の中食の主戦場はスーパーであり、持ち帰り1%の恩恵も受けやすい位置にある。一方、飲食店側のテイクアウト充実に対しては「内容次第で使う」が46.5%、「積極的に使う」が11.5%で、合わせて約6割が前向きだった。ただし大半は中身次第という条件付きであり、品揃えと質を満たせるかが分かれ目になる。
売場づくりに直結するのが、中食購入のきっかけを尋ねた設問だ。上位は「できたて」33.8%、「セット割・増量」32.2%、「クーポン・ポイント」30.4%が拮抗した。これに対し「1%対象で実質お得」というPOPは20.4%と一段低い。減税の告知だけを単独で打つよりも、できたて感や割引と束ねて見せる方が効くという結果になっている。
自炊についても、行動が動く層と動かない層が拮抗している。自炊を増やす際の変化としては「まとめ買い」26.0%、「少し良い食材・国産」24.3%が上位だが、「特に変わらない」も26.1%と同水準だ。減税で生まれるゆとりの使い道でも、最多は「特に意識しない」の28.2%で、能動的な使い道としては「食材の質を上げる」20.2%、「ふだん買わない食品」14.8%が続いた。浮いた分は自動的に消費へ回るわけではなく、質や体験を一段上げる提案が必要になる。
同社の担当者はコメントのなかで、減税そのものよりも、どこがどう得になるのかをどう伝えるかが消費行動を左右すると受け止めていると述べ、売場での分かりやすい価格の見せ方と、質や体験を上げる提案が鍵になるとの見方を示している。調査は2026年7月に、ジャストシステム提供のインターネットリサーチで実施された。
出典:株式会社アルファ調べ プレスリリース