株式会社コネクティラボは、店舗特化型業務管理サービス『絆TIME』のコーポレートサイトとサービスサイトを全面リニューアルしたと2026年8月19日に発表した。すでに飲食・小売・食品工場など大手企業4,000店舗以上で導入が進む同サービスの価値を、より分かりやすく発信することが狙いだとしている。
同社が背景として挙げるのは、外食産業が置かれた経営環境の変化だ。原材料価格やエネルギー費の高騰に加え、深刻な人手不足を背景とした人件費の上昇が続き、コスト構造は年々厳しさを増している。こうした転換点にあって、店舗運営をどう仕組み化するかが問われているという認識が、今回の情報発信の見直しにつながった形だ。
導入企業として名前が挙がっているのは、エターナルホスピタリティグループの鳥貴族、吉野家ホールディングス、ギフトホールディングスの町田商店、エー・ピーホールディングスの塚田農場、フジオフードシステムの串家物語、魁力屋、大起水産などである。居酒屋、牛丼、ラーメン、和食、串揚げ、鮮魚と業態が幅広く、チェーン規模も大小さまざまだ。飲食に限らず小売や食品工場でも使われている点は、店舗を持つ事業者全般にとって参考になる。
『絆TIME』が担うのは、店舗で日々発生している記録とチェックのデジタル化だ。HACCP対応のチェック機能や温度入力をスマートフォンやタブレットで実施でき、データの保存やCSVでの出力に対応する。管理者は各店舗の実施状況をリアルタイムで確認できる。パートやアルバイトでも操作できるシンプルな設計にこだわっているという。
もう1つの柱がQSCのチェックだ。品質、サービス、清潔さという店舗運営の基本項目について、従来は紙のチェックシートで行っていた作業をクラウド化する。実施データは集計・分析が可能で、NGとなった項目はリスト化され、改善が完了するまで追跡できる仕組みになっている。エリア単位でのスコア比較や改善完了率の可視化にも対応しており、複数店舗を持つ企業が現場の状態を横並びで把握できる作りだ。
紙からの脱却という点は、実務上の意味が大きい。衛生管理の記録は保管義務があるため、紙で運用すると保管場所と紛失のリスクがつきまとう。デジタル化すればその負担が消えるだけでなく、店長やエリアマネジャーが店舗に足を運ばなくても実施状況を確認できるようになる。人手が足りず、店舗を巡回する時間そのものが確保しにくい現状では、この差が効いてくる。
同社は今後の方向性として、店舗チェック、改善活動、スキルチェックのデータ化を基盤に、AIエージェントプラットフォームによる運営支援の高度化を進めるとしている。目指すのは、人の温かさと仕組みによる成長が両立する店舗運営だ。同社は、日本のホスピタリティ産業がおもてなしや体験の提供によって選ばれてきた一方で、その品質が現場の努力や属人的な運営に支えられており、再現性や継続性に課題があるという問題意識を示している。
この視点は、飲食に限らずどの店舗ビジネスにも当てはまる。優れた店長がいる店は良い状態を保てるが、その人が異動すれば水準が下がる。チェック項目と改善履歴をデータとして残し、スキルの評価まで同じ基盤に載せることで、属人性を減らそうという発想だ。従業員のスキルチェック機能が加わっている点は、単なる業務管理ではなく人材育成まで射程に入れていることを示している。
なお同サービスでは、無料の資料請求とオンラインデモ、トライアル環境の案内を行っている。導入前に実際の運用の流れや使用感を確かめてから判断できる流れだ。必要な機能を選んで組み合わせる形での利用にも対応しており、独自の実施方法や分析方法がある場合はカスタマイズも可能とされている。多店舗運営の効率化や人材育成に関心のある事業者は、サービスサイトから問い合わせられる。
導入企業に4,000店舗以上という規模が並ぶ背景には、HACCPに沿った衛生管理が全ての飲食店で義務化されたという制度上の事情もある。記録を残すこと自体が必須になった以上、それを紙で回すか、デジタルで回すかという選択になる。今回のサイトリニューアルは、その延長線上で、記録の先にある改善活動や人材評価まで含めた提案へと軸足を移そうとする動きと読める。