春日井製菓株式会社は、のど飴ブランド「キシリクリスタル」から秋の新商品「レモネードアソートのど飴」を2026年9月7日より全国で発売した。内容量は63g、個装紙込みで、参考価格はオープン価格となる。

同ブランドは今年で誕生25周年を迎えた。今回の商品について同社は、25年の歴史のなかにもなかった新たなフレーバーだと説明している。ブランドの特徴であるすっきりした甘さとひんやりする感覚を活かしながら、飲料でおなじみのレモネードをのど飴に仕上げた形だ。

中身は2種類のアソートになっている。レモネード味はレモン果汁を使用したやさしい酸味と丸みのある甘さが特徴。ピンクレモネード味はレモン果汁とレッドグレープフルーツ果汁を使い、爽やかでキレのある味わいに仕上げた。2つの味のバランスにもこだわり、最後まで飽きずに食べられるようにしたという。22種のハーブエキスとビタミンCも配合されている。

アソートという形式は、のど飴の売場では有効な選択肢のひとつだ。1袋を食べ切るまでに時間がかかる商材のため、単一の味だと途中で飽きが出やすい。2種を組み合わせることで、そこを補う設計になっている。

商品開発の難しさについては、担当者のコメントで触れられている。マーケティング部の伊藤氏は、これまでにない飲料の新たなフレーバーに挑戦したとしたうえで、単なるレモン、ピンクグレープフルーツの味にならないよう、レモネードらしさをどう表現するかにこだわったと述べている。開発担当者と何度も意見を交わし、試作を重ねて納得のいく味わいに仕上げたという。

果汁の味とレモネードの味は別物だという指摘は、商品設計として理解しやすい。レモネードは飲料として広く知られた味であり、消費者の側にも味の記憶がある。その記憶に合わせなければ、名前と中身が一致しないと受け取られる。

レモネードという選択には、季節をまたぐ利点もある。レモンや柑橘の味は夏に寄った印象を持たれやすいが、のど飴という文脈に置けば秋冬の商材になる。爽やかさを保ちながら季節感を出すために、パッケージ側で調整しているのはそのためだろう。

パッケージは、背景のピンクとイエローのグラデーションを基調に秋冬らしさを表現した。フレッシュなフルーツとみずみずしさで、爽やかさとの両立を目指したという。のど飴の売場は9月から本格的に立ち上がるカテゴリーで、この時期に新商品が集中する。棚の中で色をどう見せるかが、目に留まるかどうかを左右する。

販促面では、松浦亜弥氏を起用した25周年記念のWEB CMも9月7日から公開されている。レコーディングスタジオで商品を食べ、掛け声とともに歌い出すという内容で、6月の公開時にも反響があったという。起用の背景として同社は、デビューから25年でさまざまなライフステージを経ながら愛され続けている姿が、25年にわたり身近な存在として寄り添ってきたブランドと重なると説明している。

のど飴の需要は、気温が下がり空気が乾く時期に立ち上がる。9月の新商品投入は、その本格化に先立って棚を確保する動きにあたる。売場を作る側にとっても、季節商材の切り替えを進めるタイミングと重なる。

ブランドの成り立ちも押さえておきたい。「キシリクリスタル」は2001年、特許技術を使って日本で初めてキシリトールの結晶を3層キャンディにして発売された商品だ。すっきりした甘さと、真ん中に挟まれたキシリトール層のひんやり感がマッチしたノンシュガーのど飴で、その構造が現在まで続いている。

25周年という節目を、商品と広告の両方で打ち出している点も整理された動きだ。新フレーバーで棚に変化をつけ、CMでブランド全体の認知を支える。のど飴は銘柄を決めて買う人と、その日の気分で選ぶ人が混在するカテゴリーのため、両方への働きかけが必要になる。

ノンシュガーという点も、売場での訴求材料になる。のど飴は喉のケアという目的で買われることが多く、健康志向との接点を持つカテゴリーだ。ハーブエキスとビタミンCの配合も、その文脈に沿った要素といえる。