株式会社ファミリーマートは、「生カヌレスティックケーキ」を2026年9月8日から沖縄県を除く全国のファミリーマート約16,100店で発売した。価格は221円、税込238円となる。創立45周年にあたり「いちばんおいしい」を目指した取り組みの一環と位置づけている。
ベースとなるのは、2022年に販売し累計販売数940万食を突破した「生カヌレケーキ」だ。この数字は2022年5月から2023年4月26日までの累計となる。今回はこれをスティックタイプに作り替えて再投入する形になる。
形状の変更には理由が示されている。くちどけなめらかな生クリーム入りホイップクリームを、カヌレ生地で挟み込むサンド型に仕立てた。サンド型にすることで、カヌレ特有の外はカリッ、中はむちっとした食感と、くちどけの良いホイップクリームの味わいを、一口目から最後まで均一に楽しめるという。
商品開発の考え方として参考になるのが、この点だ。従来のカヌレ形状では、部位によって生地とクリームの比率が変わる。スティック状にしてサンド構造にすれば、どこを噛んでも同じ構成になる。食べ始めと食べ終わりで印象が変わらないという設計は、リピート購入につながる要素でもある。
もう1つの狙いが食べ方だ。片手で手軽に食べられる形状のため、デスクワークや家事の合間、移動中などのすき間時間にも手を汚さずに食べられるとしている。ワンハンドスイーツという打ち出しは、コンビニで購入した商品がどこで食べられるかを直接示している。カヌレは本来、皿とフォークを想定した菓子だが、その前提を外すことで買われる場面が広がる。
ヒット商品を形を変えて再投入するという手法自体も、売場の視点で見ると興味深い。新商品をゼロから立ち上げる場合と違い、過去に売れた実績があるため需要の読みが立てやすい。一方で、同じものをそのまま出しても目新しさがない。形状という変数だけを動かすことで、既知の安心感と新しさを両立させている構成といえる。
ワンハンドという発想は、他のカテゴリーにも応用が利く。片手で食べられるかどうかは、購入した後の使い勝手を大きく左右する。特にオフィス街や駅前の店舗では、机やベンチで食べる場面が想定されるため、手が汚れないという条件は選ばれる理由になりうる。
販促も同時に打たれている。新商品の発売に合わせ、「ファミマルスイーツ」のマークがついた対象商品を1品買うごとに、次回のファミマルスイーツ購入時に使える50円引きレシートクーポンが発券される。発券期間は2026年9月8日から9月21日まで、利用期間は9月8日午前7時から9月28日までとなる。沖縄は対象外で、他のセールや割引券との併用はできない。
このクーポンの設計は、次回の来店を作ることに主眼が置かれている。その場で値引くのではなく、次に使える券を渡す形だ。238円の商品に対して50円引きは2割強にあたるため、動機としては十分な水準といえる。発券期間を2週間、利用期間を3週間と設定し、利用期間を長めに取っている点も、使い切れずに終わる割合を減らす工夫だろう。
約16,100店という展開規模も押さえておきたい。同社が同時期に展開している45周年のコラボ企画では約16,500店という数字が示されており、今回は沖縄県を除いた分だけ少なくなっている。全国規模の新商品では、地域ごとの取り扱いの差が生じる点は珍しくない。
価格の税込238円は、軽減税率の対象商品として消費税8%で表示されている。イートインを利用する場合は税率が変わるため、店頭での案内が必要になる部分だ。
同社は2026年9月に創立45周年を迎え、コンビニの枠を超えて「いちばん」と選ばれる存在であり続けるため、「あなたのいちばんをたくさん作る『いちばんチャレンジ』」を新スローガンに掲げている。おいしい、ちょっとおトク、わくわく楽しいなど8つの分野に基づいた取り組みを進めるという。今回の新商品と販促は、そのうち最初の2つに対応する動きにあたる。
なお一部の地域および一部の店舗では取り扱いのない場合がある。