株式会社キンレイは、冷凍具付きうどん・ラーメンのブランド「お水がいらない」から、ラーメン専門店の監修による「お水がいらない 天下一品」をリニューアルし、2026年9月1日より全国の量販店やドラッグストアなどの冷凍食品コーナーで順次発売している。
リニューアルの中身は明快だ。消費者アンケートで最も多く寄せられた「もっと麺を食べたい」という声を受けて麺を20g増やし、スープも増量することで、全体では従来品から50gの増量となった。
売場の観点で最も注目したいのが、この増量に対して出荷価格を据え置いている点である。
原材料費や物流費の上昇が続くなか、価格を維持しながら内容量を増やすという判断は珍しい。多くのメーカーが価格の改定や実質的な容量の削減に踏み切っている状況とは逆の方向だ。同社は、商品一つひとつの価値を見つめ直し、付加価値を高めながら専門店品質のおいしさを追求しているとしている。
売る側から見れば、この変更は説明のしやすい材料になる。同じ価格で量が増えたという事実は、POPの一言で伝わる。物価高で消費者の目が価格に向いている時期であれば、なおさら効く訴求といえる。
改良は量だけではない。スープは、こってり感をさらに強め、鶏の旨味や濃厚な味わい、とろみのある質感を追求したという。醤油感のあるタレとにんにくの風味も強化した。麺についても、濃厚なスープに負けない存在感を目指し、小麦とかんすいの配合を見直している。数種類の小麦粉をブレンドした中太麺だ。具材はチャーシューと九条ねぎとなる。
シリーズ全体の数字も公表されている。「お水がいらない」シリーズは2010年の発売以来、2026年3月までに累計販売数3億食を突破した。インテージの調査による冷凍具付きうどん・ラーメンの推計販売規模金額では売上1位のブランドだという。集計期間は2025年4月から2026年3月まで。
商品の特徴は、凍結したスープの上に麺と具材を重ねてさらに凍結させる構造にある。ストレートスープを丸ごと凍結しているため、湯で割る手間がなく、鍋で温めるだけで食べられる。この技術は1975年に実用新案として登録されたものだという。
シリーズは発売から30種類以上を企画・開発してきた。有名店の監修商品のほか、各地の味わいを再現した商品も展開している。冷凍麺の棚では、専門店の名前を冠した商品が並ぶことで、選ぶ理由が分かりやすくなる。