フジパン株式会社は、「スナックサンド」のテレビCM「んーぱの逆襲 こっちじゃない篇」を2026年9月15日より全国で放映開始する。北海道と沖縄エリアを除く。あわせて同日、WEBCM「んーぱの逆襲」も公開する。
同商品は今年で発売51年目を迎える。昨年のCMをきっかけに知名度が少しずつ上がってきたものの、まだ十分に知られていない現状を、コミカルに描いた内容だとしている。
広告の作り方という観点で興味深いのが、この打ち出し方だ。
長く続く商品の広告は、伝統や品質を訴えるものになりやすい。一方で今回は、元祖でありながら知られていないという状況そのものを題材にしている。同社はWEBCMについて、多くの人に誤解されている元祖じゃない風元祖商品の悲哀を、コミカルかつ自虐たっぷりに伝えると説明する。
自虐を使う広告は、商品の弱みを認めたうえで関心を引く手法だ。知名度が足りないという課題を隠さずに出すことで、むしろ記憶に残りやすくなる。定番商品ほど存在が当たり前になり、あらためて手に取ってもらう理由を作りにくいという事情もある。
15秒のテレビCMのストーリーは、スーパーマーケットの売場が舞台になっている。子どもがタマゴサンドをねだる場面を目撃したところ、期待と異なる商品が出てきてがっかりするという内容だ。その様子を見た商品の精霊が激怒するという展開になる。
売場が舞台に選ばれている点は、この商品の性格を示している。スーパーマーケットのパン売場や日配の棚で選ばれる商材であり、そこでの選ばれ方が課題の中心にあるということだ。似た形状の商品が並ぶなかで、どれが元祖なのかが伝わっていないという問題意識が読み取れる。
売場を持つ側から見ると、こうした広告は商品の動きに影響する。テレビCMが流れている期間は、店頭で探す人が増える可能性がある。パン売場は日替わりで動く商材が多いため、広告の時期に合わせて陳列を厚くするという判断もありうる。
WEBCMは105秒と、テレビCMの7倍の長さになる。短い尺で興味を持たせ、詳しい内容は動画で伝えるという二段構えだ。ナレーションには声優を起用し、インパクトを持たせたとしている。
同社は愛知県名古屋市に本社を置き、パンと和洋菓子の製造販売を手掛けている。