株式会社ファミリーマートは、午前5時から午前11時の間に対象のおむすびまたはパンと、対象のお茶、紅茶、コーヒーをセットで購入すると税込250円になる「朝ファミマのコンビ割」を、2026年9月15日から全国約16,100店で開始した。同社にとって初の開催となる。

販促の設計という観点で、この施策には検討すべき点がいくつもある。

まず時間帯を区切っている点だ。対象は朝5時から11時までの6時間に限られる。コンビニにとって朝は、通勤や通学の途中に立ち寄る客が集中する時間帯であり、1人あたりの購入点数を増やせれば売上への効果は大きい。

次に、価格の設定である。対象商品を個別に見ると、おむすびは税込198円から235円、パンは150円から210円、飲料は129円から160円だ。単純に足すと、最も安い組み合わせで279円、最も高い組み合わせでは395円になる。これが一律250円になるため、組み合わせによって割引額は29円から145円まで幅がある。

この構造は、高い商品を選ぶほど得になるという形だ。結果として、通常なら安いものを選ぶ人が、単価の高い商品に手を伸ばす可能性がある。値引きでありながら、商品の選び方を変えさせる仕掛けになっている。

対象商品の数も工夫されている。おむすび5種、パン8種、お茶と紅茶5種、コーヒー4種で、組み合わせは117通りになる。選択肢が多ければ、自分の好みに合う組み合わせが見つかりやすい。一方で、対象を絞りすぎると使いたい人が限られる。定番商品を中心に選んでいる点も、間口を広げる判断といえる。

終了時期を明示していない点も特徴だ。同社は、利用状況などを踏まえながら実施し、終了時期が決まったら別途告知するとしている。期間を区切らないことで、朝に立ち寄る習慣そのものを作ろうとする意図が読み取れる。

社内調査の使い方も目を引く。同社は開始に先立ち、社員273名を対象にアンケートを実施した。週2、3日以上コンビニに立ち寄ると答えた217名のうち、96.3%がこのキャンペーンを人に勧めたいと回答したという。加えて、おむすびで最も選ばれたのが紅しゃけ、パンでは生コッペパンのたまご、飲料では緑茶とアイスコーヒーという結果も公表している。

社員を対象とした調査は、一般の消費者調査とは性格が異なる。ただ、自社商品を熟知した層がどの組み合わせを選ぶかという情報は、売場での推奨や、発注の目安として使える。実際に動く商品を事前に見当づける材料になる。

なお沖縄県など一部地域では実施されず、鹿児島県の一部では一部の組み合わせが税込265円となる。他のセールや割引券との併用はできない。