株式会社薬王堂は、公式アプリの「肌診断」機能に商品詳細ページを追加した。2026年10月30日からの提供で、同機能のリニューアルとしては第5弾にあたる。同社は東北6県と栃木県、茨城県、千葉県で475店舗のドラッグストアを展開している。

追加された要素は3つだ。レコメンド一覧とお気に入り一覧に「商品詳細を見る」ボタンが設置され、詳細ページでは商品画像、ブランド名と商品名、内容量、商品説明が表示される。「こんな肌悩みにおすすめ」のセクションでは、乾燥、毛穴、くすみなど、その商品がどの肌悩みに適しているかが示される。

特徴ワードも表示される。例として肌荒れケア、美白、高保湿、毛穴ケア、低刺激、無香料、さっぱり、しっとり、ジェルタイプ、クリームタイプが挙げられている。詳細ページには主要成分も掲載され、全成分は展開して確認できる形だ。

このリニューアルで押さえておきたいのが、第5弾が担う部分だ。これまでの4回は診断そのものの機能を強化してきた。第1弾は社員100名の知見をAIに学習させて解説を付ける形、第2弾は自社開発のマルチレコメンド機能と商品カテゴリーの再設計、第3弾は肌診断専用AIとお気に入り機能、第4弾は肌相談のLLMと診断前カウンセリングだ。いずれも診断の精度や相談の質を上げる方向にあたる。これに対して第5弾は、診断の結果として提示された商品の情報を見せる機能になる。診断が正確でも、提示された商品が何なのか分からなければ買う判断には至らない部分がある。診断から購入までの流れの最後の段を埋める構成だ。

全成分を展開して確認できる形も、店頭での行動と対応する。売場で化粧品を選ぶ客は、商品を手に取って裏面の成分表示を読む形がある。肌が敏感な客であれば、特定の成分が入っていないかを確認する工程が必要になる部分だ。アプリで商品を提示する形では、この確認ができない構成になる。全成分を表示する形であれば、店頭で小さい文字を読む工程をアプリ上で済ませられる形になる。主要成分を先に出して全成分は展開式にする構成は、情報量と見やすさを分ける形だ。

特徴ワードの構成も整理すると性格が分かる。例示された10種は、効能に関するもの(肌荒れケア、美白、高保湿、毛穴ケア)が4つ、刺激と香りに関するもの(低刺激、無香料)が2つ、使用感に関するもの(さっぱり、しっとり)が2つ、形状に関するもの(ジェルタイプ、クリームタイプ)が2つになる。4つの分類に分かれる構成だ。効能だけでなく使用感や形状まで含める形は、客が商品を選ぶ基準が効能に限らないことと対応する部分がある。同じ保湿の商品でもジェルとクリームでは使い方が変わる形で、効能が合っていても使用感が合わなければ続かない構成になる。

第1弾で使われた社員100名という数字も規模として見ておきたい。475店舗に対して100名であれば、1名あたり約4.75店舗の計算になる。全社員の知見ではなく、選ばれた人数の知識をAIに学習させた形だ。接客の知識は店舗ごとに経験として蓄積される部分があり、個人の中にとどまる形になる。これをAIに学習させて全店のアプリから使える形にすれば、どの店舗の客でも同じ水準の提案を受けられる構成になる。

店舗網の規模も数字で見える。475店舗が9つの県に展開される形で、1県あたり約52.8店舗の計算だ。東北6県に加えて栃木県、茨城県、千葉県に広がる構成になる。アプリの機能は店舗の立地に関係なく使える形で、店舗数が多ければ利用する客の数も増える部分がある。アプリで診断して商品を知った客が近くの店舗で買う形であれば、店舗網の密度が購入のしやすさに関わる構成だ。

お気に入り一覧にもボタンを置いた点は運用として細かい。レコメンド一覧だけでなく、お気に入りに保存した商品からも詳細ページに入れる形になる。第3弾でお気に入り機能が追加されているため、保存した商品を後から見直す客がいる構成だ。保存した時点では詳細が見られなかった商品も、今回の更新で確認できる形になる。

AIの学習と改善を自社の社員が担う点も体制として示されている。外部に委託する形であれば、改善のたびに依頼と確認の工程が生じる部分がある。社内で担う形であれば、店舗からの情報や客の反応を直接反映できる構成になる。第1弾から第5弾まで段階的に機能を追加する形は、この体制と対応する部分がある。

ドラッグストアの化粧品売場との関係も見ておきたい。売場では接客で商品を説明する工程があり、客の肌の状態を聞いて提案する形になる。アプリが診断と商品情報を担う形であれば、客が売場に来る前に候補が絞られている構成になる。一方で店頭で迷っている客がその場でアプリを開く形も生じる部分がある。

同社の設立は1991年6月で2026年10月時点で35年4か月になる。本社は岩手県盛岡市盛岡駅西通、代表取締役社長執行役員は西郷孝一氏、資本金は3億円だ。

出典:株式会社薬王堂 プレスリリース