マーケティング支援事業を手掛ける株式会社ネオマーケティングは、海外生活者の自宅内外の行動に同行し、商品やサービスとの接点を時系列で観察・分析する新サービス「海外RLT」の提供を2026年9月2日に開始した。RLTはリアルライフトラッキングの略で、自宅訪問だけでなく、買い物、移動、外食、通勤といった自宅外の行動もあわせて観察する点が特徴だ。生活者が商品と出会い、選び、購入し、使い続けるまでの流れを、一続きの生活導線として捉えるという。

背景として同社が挙げるのは、3つの潮流だ。1つ目は、東南アジアを中心とした新興市場で日本企業の進出が加速し、現地生活者の消費行動データへのニーズが拡大していること。2つ目は、SNSやEC、レビュー、動画コンテンツなど購買前の接点が多層化し、店頭やアンケートだけでは意思決定の実態を捉えきれなくなっていること。そして3つ目が、住環境や家族構成、調理と保管の方法、移動手段が日本と大きく異なる新興市場では、机上の想定と現地の実態にズレが生じやすいという点である。

アンケートやインタビューといった発言ベースの調査だけでは、こうした発言と行動のズレや、本人も自覚していない生活習慣は捉えきれない。実際の行動を生活の流れのなかで観察したいというニーズに応えるため、自宅内の観察にとどまらず生活場面全体をとらえるサービスとして開発されたのが海外RLTだ。同社は解決できる課題として、実際の生活・購買・使用行動の確認、認知から購入・保管・使用までの流れの把握、本人も意識していない習慣や不満、工夫、代替行動の発見、そして海外向けの商品開発や販売方法、コミュニケーション施策のヒント獲得を挙げている。

サービスの特徴は4点に整理されている。1点目は、自宅内外の行動を横断して観察すること。自宅訪問による生活実態の観察に加え、外出時の行動にも同行することで、場面をまたいだ行動を連続的に把握する。2点目は、認知から使用までの時系列追跡だ。商品が認知され、比較・選択され、購入・保管を経て使用されるまでの流れを記録する。3点目は、発言と行動のギャップの可視化。本人が意識していない習慣や代替行動、生活上の工夫や不満を、行動観察を通じて明らかにする。4点目は成果物の実用性で、生活導線マップや行動タイムライン、商品との接点整理といった形にまとめ、商品開発や販売方法、コミュニケーション施策の検討にそのまま使える形で提供する。

具体的な調査内容も示されている。自宅内では冷蔵庫や収納のチェック、キッチンや調理場面の観察、食事場面の観察、洗面所やランドリーの観察、商品の保管・使用・廃棄方法の確認など。自宅外では買い物同行、店内回遊や商品選択の観察、外食同行、通勤・通学同行、ECやデリバリー利用の観察などが挙がる。

対応地域は東南アジアを中心に、アジアや欧米など。対象国や調査内容によって実施可否を確認する形となる。想定業界は食品・飲料、日用品、化粧品、家電、住宅設備、自動車、小売・外食、各種サービスと幅広い。スケジュールの目安は、1か国あたり5名から10名程度を想定した場合で、調査企画や翻訳から対象者のリクルート、現地調査、分析とレポート作成まで約4週間から8週間。対象国や条件、手法、人数によって変動する。

小売や外食の事業者にとって注目したいのは、店頭での行動と自宅での使用が同じ調査のなかでつながる点だろう。店内回遊や商品選択の観察と、自宅での保管・使用の観察が一続きになることで、店頭で選ばれる理由と自宅で使い続けられる理由を突き合わせて検討できる。海外出店や輸出を検討する事業者にとっては、現地の売場づくりや品揃えを考える材料になりそうだ。冷蔵庫の容量や収納の形、買い物の頻度や移動手段といった条件は国ごとに大きく異なり、そこを押さえないと1回あたりの購入量やパッケージサイズの想定を誤りやすい。行動を観察するという手法は、そうした前提のズレを早い段階で見つける手段になる。

同社は2026年6月にも、海外市場やインバウンド市場向けのフィールドリサーチとして複数のサービスを発表している。今回の海外RLTを加えることで、日本を訪れる外国人と海外で暮らす生活者、そして店頭・自宅・自宅外という購買と使用の各場面を、切れ目なく観察できる体制が整ったとしている。英語対応が可能な自社スタッフが現地に入り、企画から実査、分析まで一貫して担う体制を強みに、複数サービスを組み合わせた個別提案にも対応する。