栃木県那須町の株式会社GOODNEWSは、大丸心斎橋店の開業300周年を記念し、大阪発祥のさつまいも「夢シルク」を使用した限定フレーバー「バターのいとこ 夢シルク」を2026年9月16日より同店で発売する。価格は3枚入り1箱で1,080円、販売場所は本館地下1階だ。
この商品には、素材の背景を軸にした商品づくりの考え方が表れている。
そもそもブランド自体が、副産物の活用から生まれたものだ。バターを作る際に生まれるスキムミルクに着目し、それを活かしたジャムをゴーフレット生地でサンドするという構成になっている。捨てられていたものを商品にするという発想が出発点にある。
そこに今回組み合わせるのが、大阪の耕作放棄地問題に取り組む若手生産者が育てたさつまいもだ。竹を炭化させて土に混ぜ込むなど土づくりから手を入れ、収穫後は約1カ月間貯蔵して熟成させることで、なめらかさと甘さを引き出しているという。大阪府が認定する地域産品にも位置づけられている。
副産物の活用と、耕作放棄地の解消という2つの課題が、1つの菓子のなかで結び付く構成になっている。同社はこれを、地域課題を物語に変えて届けるという言い方で説明している。
売場の観点で見ると、こうした背景の多い商品は説明の仕方が課題になる。1,080円という価格帯は土産菓子として標準的だが、同じ棚には数多くの選択肢が並ぶ。そのなかで背景まで伝えるには、POPや接客で要点を絞る必要がある。今回のように、素材の産地と、それが解決しようとしている課題という2点に絞れば、短い言葉でも伝わる。
周年企画との結び付け方も工夫されている。同社は、さつまいもが全国へ広く普及したのが同店の開業した約300年前とされることに触れ、当時多くの人々を飢えから救った歴史に思いを重ねたとしている。300年という数字と、さつまいもという素材を歴史でつなぐ形だ。
周年を迎える店舗にとって、記念商品をどう作るかは毎回の課題になる。単に限定パッケージを用意するだけでは説明が弱い。歴史のなかから題材を見つけ、それを現在の取り組みと結びつけられれば、企画としての厚みが出る。
同店では、この素材の魅力を発信する催事も併せて開催されるとしている。