株式会社ファミリーマートは、新キャンペーン「朝ファミマのコンビ割」の戦略発表会を2026年9月14日に東京都港区で開催した。同社の担当役員が登壇し、施策の背景となる社内データを公開している。
売場を持つ事業者にとって有用なのが、この発表で示されたPOS分析の数字だ。
同社の分析によると、平日の最多来客時間帯は朝8時台にあたる。そして平日の全客数のうち32.5%が、朝5時から11時までの時間帯に来店しているという。1日のおよそ3分の1の客数が、この6時間に集中している計算になる。
さらに踏み込んだ数字も示された。主食商品の1日の売上のうち、朝の6時間が占める割合は、おむすびが43.9%、惣菜パンが43.4%、菓子パンが39.6%となる。いずれも4割前後だ。
客数の集中が32.5%であるのに対し、これらのカテゴリーは40%を超えている。つまり朝の来店客は、他の時間帯の客より主食商品を買う確率が高いということになる。カテゴリー別に時間帯の偏りを把握すれば、発注の精度も陳列の優先順位も変わってくる。
この数字を踏まえて設計されたのが、9月15日から始まった施策だ。午前5時から11時の間に、対象のおむすびまたはパンと、対象のお茶、紅茶、コーヒーを組み合わせると、税込250円になる。
対象商品の内訳も公開された。おむすびが5種で税込198円から235円、パンが8種で150円から210円、お茶と紅茶が5種で129円から150円、コーヒーが4種で150円から158円という構成だ。
最も安い組み合わせは、150円のパンと129円の飲料で279円。最も高いのは235円のおむすびと158円のコーヒーで393円になる。これが一律250円になるため、割引額は29円から143円まで開く。単価の高い商品を選ぶほど得になる設計だ。
すでに主食が売れている時間帯に、飲料との組み合わせを促すという構造も押さえておきたい。おむすびやパンだけを買っていた客に飲料を1本足してもらえれば、客単価は上がる。もともと需要が集中している時間帯だからこそ、点数を1つ増やす施策が効きやすい。
対象商品の選び方にも意図が見える。おむすびは紅しゃけ、シーチキンマヨネーズ、真昆布、紀州南高梅、辛子明太子と、いずれも定番にあたる。パンも同様だ。話題性のある新商品ではなく、日常的に売れている商品を対象にすることで、普段の買い方を変えずに条件を満たせる。
発表会には、テレビCMに出演するお笑いコンビが登壇した。それぞれが選んだ組み合わせも紹介されており、おむすびと麦茶、パンとブラックコーヒーという選択だった。
なお、この施策に終了時期は設定されていない。9月15日からはテレビCMも全国で放映されている。