株式会社カインズは、2026年10月19日付でソニテック株式会社の発行済株式すべてを取得したと発表した。売り手は日本みらいキャピタル株式会社が投資関連の支援を行う投資事業有限責任組合(NMC四号)で、取引金額は公表されていない。ソニテックはカインズグループの一社となる。

ソニテックは木造住宅用建築副資材の総合販売を手がける企業で、創業は1967年7月、本社は東京都中央区日本橋本町にある。従業員数は266名(2026年3月時点、パート・派遣社員を含む)で、東北から九州まで営業所と配送センターを展開している。

この取得で押さえておきたいのが、ホームセンターが店舗販売とは性質の異なる事業を取り込む構成だ。

カインズは29都道府県に278店舗を展開するホームセンターで、店舗、オンラインショップ、リフォームや建築プロ向け事業を手がけている。

ホームセンターの客には、DIYを目的とする一般の客と、仕事で資材を買うプロの職人が含まれる。店舗で売る形では、どちらの客も来店して商品を選び、持ち帰るか配送を手配することになる。

ソニテックの事業は、この形とは異なる。住宅図面をもとにした積算代行から、複数メーカーの商品をまとめた邸別・工程別の配送管理までを一貫して提供する構成だ。

積算代行は、図面から必要な資材の種類と量を算出する作業にあたる。建築の工程と仕様を読み取る専門性が要る部分で、店頭で商品を売る業務とは別の技能になる。

邸別・工程別の配送も、店舗の配送とは条件が違う。1つの現場に対して、工程の進み方に合わせて必要な資材を届ける形になる。基礎の段階で使う材料と、内装の段階で使う材料は時期が異なる。まとめて納品すれば現場に置き場が必要になり、工程ごとに分ければ配送の回数が増える。

複数のメーカーの商品をまとめる点も、調達の形に関わる。1つの現場で使う資材は、メーカーが分かれることになる。それぞれに発注すれば手配の件数が増えるが、まとめて扱う事業者がいれば1か所で済む形だ。

この事業は、店舗を持たなくても成立する。現場に届ける形であれば、客が来る場所は必要ない。営業所と配送センターという構成は、この性質に対応している。

カインズが示している方針は、ソニテックの調達、積算、受発注、物流の強みをさらに高め、カインズのデジタル活用のノウハウや商品を取り入れて事業運営の高度化を図るというものだ。目指す姿として、新築からリフォームまで建築のプロの施工生産性向上に貢献する独自のサプライチェーンの構築を挙げている。

ホームセンターの側から見ると、プロ向けの事業は客単価と購入の頻度が一般客と異なる。仕事で使う資材を継続して買う客であれば、取引は反復する形になる。一方で、必要な商品の種類と量は現場によって変わり、納期の条件も付いてくる。

店舗での販売では、在庫を棚に置いて客が選ぶ形になる。現場への供給では、必要な資材を必要な時期に届ける体制が求められる。同じ資材を扱っても、業務の構成が変わる部分だ。

自社で一から体制を作る形であれば、積算の人員を育て、配送網を整え、メーカーとの取引を作ることになる。既に事業として動いている企業を取り込む形では、その部分が揃った状態から始まる。創業1967年のソニテックは59年の経験を持つ。

売り手が投資ファンドの組合であった点も、取引の形に関わる。ファンドが保有する企業は、一定の期間を経て売却されることが前提になる。買い手が事業会社であれば、その後は事業として継続される形だ。

カインズは埼玉県本庄市に本部を置き、「くらしDIY」をブランドコンセプトに掲げている。資本金は32億6000万円で未上場だ。

なお、株式譲渡契約の締結を伝える先行のリリースが、カインズの公式ニュースページで確認できるとされている。

出典:株式会社カインズ プレスリリース