株式会社ノジマは、2027年度新卒の初任給の上限を38,000円引き上げ、438,000円にする。初任給の範囲は、改定前の344,000円から400,000円が、352,000円から438,000円に変わる。2026年9月の考課時点では、役職手当等を含めて最高477,000円の支給予定の内定者がいるとしている。
この改定で押さえておきたいのが、上限と下限の引き上げ幅の差だ。
上限は400,000円から438,000円で38,000円の増加にあたり、率では9.5%になる。下限は344,000円から352,000円で8,000円の増加で、率では約2.33%だ。金額では約4.8倍、率では約4.1倍の差がつく。
初任給の幅も広がる。改定前は56,000円の幅だったが、改定後は86,000円になる。約1.536倍にあたる。上限と下限の倍率も、1.163倍から1.244倍に変わる形だ。
初任給を一律で設定する形であれば、全員が同じ金額から始まる。引き上げる場合も、全体に同じ額を加える構成になる。
幅を持たせる形では、採用時点の評価によって金額が変わる。今回の改定で上限側を大きく上げる構成は、評価の高い層への配分を増やす形になる。同社は背景として、努力や挑戦をする従業員へ報いることを挙げている。
評価の方法も示されている。同社には「出る杭入社」という制度があり、ノジマでパートナー社員(アルバイト)として1年以上勤務し、卓越した成果と提案力を持つ学生が対象になる。直近1年間の評価をもとに初任給が決まり、新卒入社時に反映される形だ。
この経路は小売の採用と関わる部分がある。小売や外食の売場では、学生のアルバイトが一定の割合を占める。接客や品出し、売場の管理といった業務を日常的に担う形だ。
通常の新卒採用では、面接や試験で判断することになる。実際の業務での動きは、入社後に分かる部分が多い。
アルバイトとして1年以上勤務した学生であれば、業務の記録が残る。どの程度の成果を出し、どのような提案をしたかという情報が評価の材料になる形だ。
採用する側から見ると、業務への適性を事前に確認できる構成になる。学生の側も、職場の内容を知った上で入社を決める形だ。
初任給に反映する形は、この経験に金額をつけることになる。1年以上の勤務と評価が、入社時点の待遇に直結する構成だ。
段階的な引き上げも行われている。同社は2026年4月度給与で1,000円から5,000円、2026年10月度給与で4,000円から10,000円のベースアップを実施した。
4月と10月を合わせると、5,000円から15,000円の引き上げにあたる。10月の幅は4月に比べて、下限で4倍、上限で2倍になる。
年に2回のベースアップを行う形は、改定の間隔が短い構成になる。年1回であれば次の改定まで12か月あるが、2回に分ければ6か月ごとに見直される形だ。
手当を含めた金額も示されている。最高477,000円の支給予定の内定者がいるとされ、初任給の上限438,000円との差は39,000円になる。この差が役職手当等にあたる。
新卒の入社時点で役職手当が付く形は、入社後に役職を得る順序とは異なる構成だ。アルバイト期間の勤務と評価が前提にあれば、業務の内容を把握した状態で入社することになる。
改定の背景として、同社は就職活動の早期化への対応も挙げている。
採用のスケジュールが早まる形では、学生が進路を決める時期も前に動く。初任給の水準を先に示す形であれば、比較の材料になる構成だ。
小売や外食の採用では、他の業種との比較も生じる部分になる。売場や店舗の業務は、勤務時間や休日の条件が他の業種と異なる場合がある。待遇の水準を示す形は、その条件を含めた判断の材料になる。
アルバイトからの採用という経路は、すでに自社で働く学生に向けた案内にもなる。売場で働く学生が新卒採用の対象に入る形であれば、採用の母集団が社内にできる構成だ。
同社の所在地は東京都港区で、代表執行役社長は野島廣司氏だ。