株式会社カインズは、2026年11月7日にザスパ群馬のホームゲームで「カインズスペシャルマッチ」を開催する。会場は同クラブのホームスタジアムである正田醤油スタジアム群馬だ。土曜日の開催になる。
来場者向けの企画として、先着3,500名にザスパンダデザインのオリジナルエコバッグが配布される。素材はOBP(オーシャンバウンドプラスチック)由来の再生PET素材で、肩掛けしやすい持ち手を採用している。
会場内の企画は4つだ。カインズブースでは「カインズスペシャルマッチ大抽選会」が行われ、カインズアプリの会員証画面を提示した人がガラポン抽選に参加できる。賞品はザスパ群馬関連グッズやカインズオリジナル商品で数量限定になる。
このほか、一部のカインズ店舗で展開している木製おもちゃの遊戯コーナー「DIYゲーセン」、カインズフードサービスが運営する「カフェブリッコ」のスタジアム店、ミュー・エンターテイメントの「AMUUUカプセルトラック」が登場する。カプセルトラックではザスパ群馬とのコラボカプセルトイとAMUUUオリジナルのカプセルトイが用意される。
この企画で押さえておきたいのが、店舗で運用しているコンテンツをそのままスタジアムへ持ち出す構成だ。「DIYゲーセン」はデジタル機器やDIYで切り出したパーツで組み立てた木製おもちゃの遊戯コーナーで、一部の店舗に設置されている。「カフェブリッコ」は同社のフードサービス部門が運営する店舗で、焼き菓子とコーヒー中心のドリンクを扱う。いずれも既存の運営資産にあたり、店舗にあるものを会場に移す形だ。冠試合では企業名を出す露出が中心になる形もあるが、この構成では来場者が実際にその企業のサービスに触れることになる。
アプリの会員証を抽選の条件にした点も経路の設計と関わる。抽選に参加するにはカインズアプリの会員証画面を提示する必要があり、アプリを持っていない来場者はその場でインストールと登録を行うことになる。スタジアムには買い物を目的としない層が集まる形で、ホームセンターの店舗には来ない人も含まれる。その場で会員になれば、以降はアプリを通じて店舗の情報が届く経路ができる。会場での抽選は当日限りの企画だが、会員の登録は当日以降も残る構成だ。
先着3,500名という配布数も設計が見える部分だ。来場者全員に配る形ではなく先着で区切る構成で、早い時間に来場する動機になる。エコバッグは買い物に使う道具にあたり、店舗の名前が入ったものを日常で使う形であれば配布後も接点が続く。スタジアムで受け取った袋がスーパーやホームセンターでの買い物に使われる構成で、配布の時点ではなくその後に効果が出る種類の販促になる。
支援の経緯も段階的だ。同社はベイシアグループの各社とともに、2006年のザスパのJリーグ加盟直後からオフィシャルユニフォームパートナーとして支援を始めている。2020年に株式会社ザスパへ資本・経営参加し、加盟直後からは14年後にあたる。2024年には第三者割当増資を引き受けて単独筆頭株主となり、支援の開始から18年後の計算だ。2025年にはザスパの運営を重要な事業の1つと位置づけ、ベイシアグループの一員として迎えている。スポンサーから経営参加、筆頭株主、グループ会社へと20年かけて関与を深めた構成になる。
店舗網との関係も見ておきたい。同社は29都道府県に279店舗を展開しており、1都道府県あたり約9.6店舗の計算だ。ザスパ群馬は群馬県を拠点とするクラブで、スタジアムに集まる層は主に群馬県とその周辺になる。全国規模の店舗網を持つ小売が特定の地域のクラブを支援する形は、地域ごとの接点の作り方と関わる。全国一律の販促では地域の差が出にくいが、クラブを通じた企画であればその地域に限った接点が生じる構成だ。
エコバッグの素材選びも企画の性格を示している。OBP由来の再生PET素材は、海洋に流出する前の段階で回収されたプラスチックを原料とするものにあたる。ノベルティは配布数が多くなる商材で、素材の選択がそのまま量に反映される部分がある。3,500個を配る企画であれば、通常のポリエステル素材と再生素材のどちらを選ぶかで扱う材料の量が変わる構成だ。
施設の整備にも関わっている。カインズ、ザスパ、前橋市の3者は、群馬県前橋市のローズタウンサッカー場(GCCザスパーク)の整備や、スポーツ振興を中心とした前橋市の事業に取り組んでいる。試合の冠スポンサーという関わり方に加えて、クラブの拠点となる施設そのものに関与する形だ。GCCザスパークは株式会社ザスパの本社が置かれる場所にもなる。
株式会社ザスパの設立は2003年2月5日で2026年11月時点で23年9か月になり、Jリーグ加盟の2006年は設立から3年後にあたる。代表取締役社長は細貝萌氏だ。カインズの本社は埼玉県本庄市、代表取締役社長CEOは高家正行氏、資本金は32億6,000万円で、ブランドコンセプトは「くらしDIY」になる。