株式会社ファミリーマートは、家庭での調理に関する調査結果と、工程ごとに省くための「ファミマル」商品を2026年10月30日に公開した。調理の手間を減らす考え方を「キャンセル」と表現し、コンロ、一品、皿洗い、包丁の4つの工程別に商品を紹介する構成だ。
調査は2026年10月6日から10月9日までの4日間、楽天インサイトを通じたインターネット調査で実施された。対象は全国の20代から60代で家庭の食事を用意する500名になる。調理の時間や手間を減らしたいという回答は79.4%で、500名のうち397名の計算だ。すべての料理を手作りしなくてもよいという回答は77.2%で、2.2ポイントの差になる。
省きたい工程として挙げられたのは、まな板が39.8%、包丁が38.2%、皿洗いが35.8%だった。中食を使う理由は、料理より楽が47.4%、時間の短縮が42.3%、足りない一品を補うが37.7%になる。中食を利用する人のうち91.2%が家庭の食事に1品以上を足しており、66.2%は週1回以上の頻度だ。中食を賢い時短の方法と見る回答は60.0%になる。コメントはコンビニ研究家の田矢信二氏が寄せている。
紹介された商品は13品だ。コンロを使わない3品は「じっくり煮込んだ極ほろっ豚角煮」が434円(税込468円)、「丸ごと食べられる!国産さんまの塩焼き」が369円(398円)、「こだわりのたれの牛丼」が298円(321円)になる。一品を補う3品は「明太子が美味しい明太ポテトサラダ」が171円(184円)、「甘辛仕立てのれんこんきんぴら」が156円(168円)、「レンジで手軽に塩味枝豆」が128円(138円)だ。
容器から直接食べられる5品は「国内産コシヒカリごはん 180G」が193円(208円)、「ごま豆乳鍋(うどん入り)」が554円(598円)、「もちっと食感生パスタトマトクリーム」が350円(378円)、「5種具材の旨辛ビビンバ」が463円(500円)、「トマトとチーズの旨みタコライス」が463円(500円)になる。包丁を使わない2品は「1/3日分の野菜が摂れる チン!する温野菜」が218円(235円)、「このまま使えるカットほうれん草 200g」が188円(203円)だ。
この企画で押さえておきたいのが、調査で示されたニーズの順位と、提案される商品の数が逆になっている点だ。省きたい工程の1位はまな板の39.8%、2位は包丁の38.2%で、どちらも切る工程にあたる。これに対応する「包丁キャンセル」の商品は2品で、4つの分類のなかで最も少ない。一方で3位の皿洗い35.8%に対応する「皿洗いキャンセル」は5品で最多になる。1位と3位の差は4.0ポイントだが、商品数は2品と5品で2.5倍の差が付く構成だ。
この逆転には売場の構造が関わる部分がある。容器から直接食べられる商品は、既存の弁当、麺類、丼物がそのまま該当する形だ。コンビニの売場にはもともとこの性質の商品が多く並んでいるため、新たに商品を作らなくても提案できる構成になる。これに対して切る工程を省く商品は、カット野菜や下処理済みの素材という専用の商材が必要になる。日持ちの条件も異なり、カットした野菜は切っていない状態より傷みが早い部分がある。ニーズが大きい工程に商品が少ないのは、商材として用意する難しさと対応する形と読める。
カテゴリーごとの価格帯も性格が分かれる。皿洗いキャンセルの5品は税抜193円から554円で平均404.60円、コンロキャンセルの3品は298円から434円で平均367.00円になる。包丁キャンセルの2品は188円と218円で平均203.00円、一品キャンセルの3品は128円から171円で平均151.67円だ。皿洗いキャンセルの平均は一品キャンセルの約2.67倍になる計算で、1食として完結する商品と副菜を補う商品の違いが価格に表れる構成になる。全体の価格帯は128円から554円で約4.33倍の幅だ。
価格の設計にも狙いが見える。「5種具材の旨辛ビビンバ」と「トマトとチーズの旨みタコライス」はいずれも税抜463円で、1.08を掛けると500.04円になる。1円未満を切り捨てた税込価格は500円ちょうどで、区切りのよい金額に収まる形だ。税抜で463円という中途半端な数字を設定しているのは、税込で500円に揃えるためと読める。2品が同じ価格で並ぶ構成で、客はどちらを選んでも同じ金額になる形になる。
13品すべてで税込価格を検算すると、いずれも税抜価格に1.08を掛けて1円未満を切り捨てた金額と一致する。軽減税率8%の対象だ。このうち「もちっと食感生パスタトマトクリーム」の350円は1.08を掛けると378.00円で端数が出ない唯一の価格になる。350は8%の計算で端数が生じない数字にあたり、税抜と税込の両方が区切りのよい金額になる構成だ。
中食の利用頻度も換算すると比率が出る。中食を利用する人のうち91.2%が1品以上を家庭の食事に足しており、66.2%が週1回以上の頻度だ。1品以上を足す層を母数にすると、週1回以上の人は約72.6%にあたる計算になる。中食を使う人の大半が日常の頻度で足している構成で、特別な日の対応ではなく習慣として組み込まれている形と読める。
関連する販促も示されている。毎週金曜日に対象の冷凍商品2個の購入で税込合計から50円引きになる企画で、期間は2026年3月31日から2027年2月26日までだ。333日間で、この間の金曜日は48回の計算になる。1個あたりでは25円引きにあたり、対象は「ファミマルKITCHEN」または「ファミマルKITCHEN PREMIUM」のロゴが付いた商品で、フラッペ、氷、冷凍ドリンク、アイスクリームは除かれる。
同社は2026年9月に創立45周年を迎えている。本社は東京都港区芝浦、代表取締役社長は小谷建夫氏だ。さんまの塩焼きとれんこんきんぴらは沖縄県を除く販売で、明太ポテトサラダは地域により価格が異なるとされている。