株式会社カインズは、オリジナル商品6点が2026年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞したと発表した。15年連続の受賞にあたる。同社は2007年にオリジナル商品の開発に力を入れ始め、2023年に商品開発体制を刷新している。

受賞したのは「開いてすぐ使えるバーベキューコンロ」「シリコーン製フードカバー」「吊るしても立たせても干せるシューズハンガー」「マグネットほうきちりとりセット」「使い心地にこだわった軍手シリーズ」「軽量メッシュサイレントキャリー」の6点だ。

この受賞で押さえておきたいのが、6商品のうち4点が使わないときの状態を設計している点だ。

「開いてすぐ使えるバーベキューコンロ」はポップアップ式の卓上コンロで、使用後は傾けて炭を捨てられ、約6cmの隙間に立てて保管できる。価格はSサイズ3,980円、Mサイズ4,980円(いずれも税込)で、Sは使用時36.5×27.1×37.6cmで3.3kg、Mは45.8×33.1×43.6cmで4.3kgとなる。

「軽量メッシュサイレントキャリー」は使用時38.6×73×83cmで、使用しないときは厚さ13.3cmまで薄く収納できる。本体3.7kgで耐荷重は100kg、静音キャスターを採用し、価格は5,980円だ。

「吊るしても立たせても干せるシューズハンガー」は25.7×2.0×38.3cmで216g、折りたたみが可能で548円となる。「マグネットほうきちりとりセット」は12.0×3.2×50.0cmで260g、玄関ドアに磁石で貼り付けられる薄型・軽量設計で998円だ。

日用品は、使う時間より使わない時間の方が長い商材にあたる。バーベキューコンロは季節や行事に合わせて使うもので、キャリーは旅行の時だけ出すことになる。シューズハンガーも洗った靴を干す期間に限られる。

この性質から見ると、置いておく状態の設計が商品の価値に関わってくる。使う時の性能が同じであれば、収納の場所を取らない方が選ばれる形だ。

約6cmの隙間に立てられるコンロ、13.3cmまで薄くなるキャリー、磁石でドアに貼れるほうきという構成は、いずれも収納の問題に対応している。住宅の収納が限られる条件では、置き場所が購入の判断に入る形になる。

売場の側から見ると、この設計は商品の説明にも関わる。使う時の形と収納時の形が違う商品であれば、両方を示す必要がある。棚に並べた状態では収納時の寸法が分かりにくいため、展示の方法が関わってくる。

価格帯も見ておきたい。6商品の価格は、軍手シリーズが248〜698円、シリコーン製フードカバーが498〜698円、シューズハンガーが548円、マグネットほうきちりとりセットが998円、バーベキューコンロが3,980〜4,980円、キャリーが5,980円となる。

最も安い軍手の248円と最も高いキャリーの5,980円では約24倍の差がある。半数の商品が1,000円を下回る水準だ。

数百円の商品が設計の評価を受ける形は、価格と設計が別の指標であることを示している。原材料や工程に費用をかければ単価は上がるが、形状や構造の工夫は価格に直結しない部分もある。

軍手シリーズは、日本人の手に合わせた10種類の形を展開し、リサイクル素材の糸を使用している。全長約23cmで450〜750gだ。

軍手は通常、1種類か2種類の展開にとどまる商材にあたる。サイズの違いはあっても、形そのものを分ける構成は多くない。10種類という品揃えは、用途や手の形に応じて選べる形になる。

売場では、この品揃えは棚の構成に関わる。10種類を並べれば場所を取る一方、客は自分に合うものを選べる。1種類で済ませる形と比べて、どちらが売れるかは店舗の客層によって変わる部分だ。

シリコーン製フードカバーは、皿に被せて中央を押すと密着する構造で、丸形(13/20/24cm)と角型(S/M/L)の計6種類を揃える。厚さは約0.9〜1cmだ。

皿のサイズは家庭によって異なるため、1種類では合わない場合が生じる。6種類を用意する形は、この条件に対応する構成になる。

キャリーの仕様では、本体3.7kgに対して耐荷重100kgという設定になる。本体の約27倍の重量を支える形だ。軽さと強度の両方が求められる商材で、数値として示される部分になる。

6商品のうち、マグネットほうきちりとりセットは販売開始が11月上旬以降の予定とされている。受賞の時点で未発売の商品が含まれる形だ。

同社は「くらしDIY」をブランドコンセプトに掲げ、生活シーンから課題を抽出して商品開発を進めているとしている。2007年の開発強化から19年、2023年の体制刷新を経ての受賞にあたる。

グッドデザイン賞は「Gマーク」を付与する制度で、Gマークは「よいデザイン」の指標として半世紀以上の歴史があると説明されている。

出典:株式会社カインズ ニュースリリース