株式会社ファミリーマートは、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社の事業活動で発生した清涼飲料水の余剰在庫を、「ファミマフードドライブ」の協力パートナーへ寄贈する取り組みを開始する。10月の食品ロス削減月間に合わせた開始で、飲料の寄贈は2023年から続く形になる。
今年の第一弾は熊本県が優先地域で、県内の協力パートナー3団体へ届けられる。熊本への寄贈にあわせてオリジナルの塗り絵も提供され、各施設で活用される。今年の寄贈は年間を通じて全国各地の協力パートナーへ順次届けられる予定だ。
「ファミマフードドライブ」は店舗を拠点に、家庭で食べきれない食品を持ち寄ってもらう仕組みだ。集まった食品はNPO法人や社会福祉協議会などの協力パートナーへ渡される。2026年8月末時点で全国5,148店が実施しており、累計の寄贈量は800トンを突破した。
この取り組みで押さえておきたいのが、実施店舗数の規模と全店に対する比率だ。同社の国内店舗は約16,500店の規模にあたり、5,148店はその約31.2%の計算になる。3店に1店が実施している比率で、残りの約1万1,000店では実施していない。回収のボックスを置く場所、集まった食品の一時保管、協力パートナーへの引き渡しといった工程が店舗側に生じるため、立地や売場の広さによって対応できる店舗が分かれる。実施店舗を増やす余地が残る数字だ。
累計800トンという数量も換算すると規模が見える。同社はおむすび1個を100g・高さ約8cmとして計算し、800トンは約800万個に相当するとしている。800万個を積み上げた高さは64,000,000cm、640kmの計算になる。同社はこれを国際宇宙ステーション(高度約400km)より上の、地球観測衛星が行き交う高度約600〜800kmに届くと表現している。640kmはISSの高度の1.6倍にあたる計算だ。
1店あたりに割ると別の見え方になる。800トンを5,148店で割ると1店あたり約155.4kg、おむすび換算では約1,554個の計算だ。累計の数字であるため年数で割ればさらに小さくなるが、1店が持ち寄りの窓口として機能した結果がこの量になる。コンビニは1店の売場面積が限られる業態で、大量の保管はできない。小刻みに集めて渡す形を店舗数で積み上げた構成だ。
今回の飲料寄贈は、家庭からの持ち寄りとは別の経路にあたる。同社はフードドライブの枠組みで、賛同企業の災害備蓄品の入れ替えや余剰在庫も必要とする地域・団体へつなぐ役割を担っている。家庭から集める経路と企業から受ける経路の2つが並ぶ構成で、今回はコカ・コーラ ボトラーズジャパンの余剰在庫が後者に入る。
企業の余剰在庫が寄贈に回る形は、在庫処理の実務と関わる。余剰の在庫は保管の費用が続き、処分するには廃棄の費用が生じる。一方で寄贈する場合は届け先を探し、輸送を手配する工程が必要になる。寄贈の経路が整っていなければこの手間が障壁になる部分がある。小売の側に協力パートナーとのつながりがあれば、メーカーは届け先を探す工程を省ける構成だ。小売の店舗網と地域の団体との関係が、企業の在庫の受け皿として機能する形になる。
継続性も見ておきたい。飲料の寄贈は2023年から続き、2026年で4年目になる。単年の企画ではなく毎年実施する形で、メーカー側でも余剰在庫が生じた際の届け先として想定できる構成だ。年間を通じて順次届ける形は、余剰在庫が特定の時期に集中するものではないことと対応している。飲料は季節で需要が動く商材で、夏場の見込みと実績の差が在庫に表れる部分がある。
熊本県を優先地域にした点も企画の性格を示している。コカ・コーラ ボトラーズジャパンは熊本地震からの復興に向けた地域支援につなげるとしており、2016年4月の発生から2026年で10年にあたる。発生から10年という区切りで支援を続ける形で、災害の直後に集中する支援とは異なる時間の取り方になる。
塗り絵を併せて提供する形も特徴だ。飲料だけを届ける形であれば物資の提供にとどまるが、施設で使える物を加える構成になる。受け取る側が子どもを含む施設であれば、飲料と塗り絵の両方が使われる形になる。
同社の設立は1981年9月で、2026年9月に創立45周年を迎えている。本社は東京都港区芝浦、代表取締役社長は小谷建夫氏だ。コカ・コーラ ボトラーズジャパンの本社は東京都港区、代表取締役社長はカリン・ドラガン氏になる。