ガトーショコラ専門店で、推し活スポットとしても知られる「THE LAB NAGOYA」を運営するSERENDIPITY株式会社は、2026年11月26日から29日までの4日間、限定の推し活企画を実施すると2026年9月7日に発表した。同期間にバンテリンドーム ナゴヤで開催されるアーティストの名古屋公演に合わせたもので、公式の企画ではない。
企画の中身は、通常のガトーショコラに加えて「推し活プレート&立体チョコレートアート」を提供するというものだ。ドリンクをセットにして1名3,000円で、ホワイトチョコレートのプレート部分には希望のメッセージを入れられる。
店舗運営の観点で最も注目したいのが、同社が権利関係への配慮を企画の柱に据えている点である。同社は、推し活を楽しむ一方で店舗側が特に注意しなければならないのが著作権や商標権、パブリシティ権などの権利関係だとしたうえで、過去には店舗側の知識不足により適切な確認ができないまま提供してしまったケースもあったと明かしている。その反省を踏まえ、2026年以降はより一層意識したサービス提供を行うとした。
具体的な制約も明示されている。イラストやロゴの制作には対応せず、メッセージ内容についても著作権や商標権、パブリシティ権の観点から制作できない場合があるという。「推す側」だけでなく「推される側」にとっても嬉しい推し活とは何かを考え、正しい知識を持ってサービスを提供したいとしている。
この姿勢は、同種の企画を検討する飲食店にとって参考になる部分が大きい。ファンの要望に応えようとするほど、キャラクターや人物の名称、ロゴ、肖像に関わる領域に近づく。断る基準をあらかじめ示しておけば、現場での判断のばらつきも減り、来店客との摩擦も起きにくい。何ができないかを先に伝えることは、店側を守ると同時に、顧客の期待を適切に調整する手段でもある。
集客の仕掛けとしては、Xのリポストによる割引が用意されている。同社が投稿する対象投稿をリポストすると、通常料金から500円が無料になる。同社が強調しているのは、ライブに当選してからではなく、抽選結果の発表前から参加できる点だ。公演の抽選結果は9月10日に予定されているとしており、結果を待つ期間の関心を先に取り込む設計になっている。
営業日の判断も踏み込んでいる。同店は通常、日曜日が定休日だが、公演最終日にあたる11月29日は特別営業を予定する。遠方から訪れるファンにも楽しんでもらえるようにという理由だ。大規模イベントの開催日に合わせて定休日を動かすという判断は、需要が集中する日をどう捉えるかという店舗運営の基本にも通じる。
大型の会場でイベントが開かれる日は、周辺の飲食店にとって年に数回の商機になる。開演前や終演後の時間帯に人が集まり、遠方からの来訪者も多い。その需要に合わせて営業日や営業時間を調整できるかどうかで、売上は変わる。
なお同店は、リボンなどの品揃えを豊富に用意し、アクリルスタンドやぬいぐるみを自由に並べられる空間としても運営されている。今年1月の公演時にも全国からファンが訪れ、店内が熱気に包まれたという経験が、今回の企画につながったとしている。
予約はInstagramのダイレクトメッセージで受け付ける。同社は「日本一の推し活カフェ」を目指すとし、サービスだけでなく権利のルールにも真剣に向き合っていくとした。