名古屋栄三越は、「空箱職人 はるきる作品展」を2026年9月16日から9月27日まで、3階特設会場で初開催する。菓子の箱をはじめとした身近なパッケージを素材に制作された作品を展示するほか、作家本人によるワークショップも実施する。

開催時間は各日午前10時から午後7時まで、最終入場は午後6時30分となる。入場料は高校生以上の大人が1,200円、小中学生が800円、未就学児は無料だ。会場では初展示となる8作品を含む約50点が並ぶ。

百貨店の催事という観点で見ると、入場料を設定した展覧会という形式には特徴がある。物産展や物販の催事が売上で成果を測るのに対し、展覧会は入場料そのものが収入になり、そのうえで来館者が館内で買い物をする流れも期待できる。3階の特設会場という場所に人を集めることで、周辺のフロアへの回遊も見込める構成だ。

題材の選び方も、集客の観点から理解しやすい。空箱を素材にしたアートは、材料が誰にとっても身近で、作品を見たときに元が何であるかが分かる。展示ではbeforeとafterの両方が示されており、見慣れた菓子の箱がどう変わったかを比べられる。予備知識がなくても楽しめる内容は、幅広い層を呼び込みやすい。

約50点という展示数も、規模として把握しやすい。特設会場の広さに応じた点数であり、来場者が1時間程度で見て回れる分量にあたる。初展示の8作品を含めることで、他会場での展覧会を見た人にも訪れる理由を作っている。

作家のはるきる氏は1997年名古屋市生まれで、神戸芸術工科大学アート・クラフト学科を卒業。個展の開催や企業とのコラボレーション、書籍出版など幅広く活動しており、身近な空箱を素材とした作品制作を行っている。地元出身の作家を招くという構成は、地域とのつながりを打ち出す材料にもなる。

会期中には、エムアイカード会員限定で、はるきる氏による初のワークショップも開催される。菓子の空箱を使った作品づくりに挑戦できる内容だ。開催日は9月16日、9月19日から23日、9月26日と27日で、各日午前10時30分から、所要時間は約45分。定員は各日5名で、参加費は2,500円、入場料は別途で材料費込み。対象年齢は9歳以上となる。

このワークショップの設計には、いくつか意図が読み取れる。まず自社カードの会員限定としている点だ。定員が各日5名と限られるため、誰でも参加できる形にすると希望者が集中する。会員限定にすることで参加の枠を絞りつつ、カードの入会や利用を促す動機にもなる。

対象年齢を9歳以上としている点も実務的だ。刃物や細かい作業を伴う内容と考えられ、安全面と作業の難易度から下限を設けたのだろう。約45分という所要時間も、子どもが集中できる範囲に収まっている。

会期を12日間と設定している点も、催事としては標準的な長さといえる。土日が2回入る構成で、平日と休日の両方の需要を拾える。ワークショップの開催日が土日と祝日に寄せられているのは、参加しやすい日程に合わせたためだろう。

有料の展覧会とワークショップを組み合わせる形は、他の商業施設でも応用できる。展示だけでは一度見て終わりだが、参加型の企画を加えれば、体験を目的とした来館が生まれる。ワークショップの参加者は入場料も別途支払うため、1人あたりの単価も上がる。

素材が菓子のパッケージであることから、館内の食品売場との関連づけも考えられる。作品に使われた商品が館内で買えるのであれば、展示を見た人がそのまま購入するという流れも作れる。展示と物販をつなげる余地がある企画といえる。

なお、作品に使用された空箱は制作当時のデザインのため、現在のデザインと異なる場合がある。諸般の事情によりイベントの内容が変更や中止となる可能性もあるとしている。