アールグレイ専門店「&EARL GREY」を運営する株式会社キャセリンハウスは、2026年9月10日から16日まで、東京都台東区の松坂屋上野店6階催事場で開催される「秋のうまいもの物産展」に出店する。ソフトクリームとバター餅を期間限定で販売する。

催事に出る側の視点で見ると、この出店には販路設計の考え方が表れている。同社の常設店舗は神戸本店と大丸梅田店の2店のみだが、リリースで紹介されるソフトクリーム3種はいずれも「常設店舗では大丸梅田店のみでの取り扱い、神戸本店での販売はない」と明記されている。つまり主力商品の多くは、常設ではなく全国の催事で売られているという構造だ。店舗を増やさずに全国へ届ける手段として、百貨店の催事を活用している形になる。

看板商品は「アールグレイリッチミルク」で税込660円。繊細な紅茶の香りをソフトクリームで表現するため、通常の数十倍の茶葉を使用し、そこから抽出した濃縮紅茶液をその場で仕上げるという。全国の催事で毎回行列ができる人気商品としており、甘酸っぱいフランボワーズのメレンゲを添えて提供する。

新商品も投入される。2026年7月の新作である「アールグレイティーグルト」は税込660円で、天然ベルガモットが香るアールグレイと爽やかなヨーグルトを組み合わせたソフトクリームだ。同社はこの背景として「第3次ヨーグルトブーム」を挙げ、Tea(紅茶)とYogurt(ヨーグルト)を組み合わせた「ティーグルト」が韓国やアジアを中心に広がっていると説明している。同じく7月の新作「フローズンヨーグルト」も税込660円で、植物性乳酸菌のラブレ菌を含みノンファットに仕上げた。

もう1つの目玉が「バター餅」だ。中国・上海が発祥で「上海バター餅」と呼ばれ、2025年末頃から韓国・ソウルのカフェを中心に登場し、2026年に入るとSNSを通じて広がり、韓国で話題のスイーツになったという。

原料へのこだわりも具体的に示されている。北海道産バターと、佐賀県産の「ひよくもち粉」を使用し、オーブンで焼き上げることで外はカリッと中はもちもちの食感に仕上げた。決め手となるひよくもち粉は昔ながらの胴づき製法で作られ、同店で使用する国産小麦の約7倍以上という高価な原料だとしている。

今回の物産展では、プレーン、アールグレイ、新作の黒糖、そしておつまみにもなるチーズの4種を販売する。プレーンとアールグレイの価格は税込324円だ。660円のソフトクリームがその場で食べる商品であるのに対し、324円のバター餅は持ち帰りや複数個購入につながりやすい。単価と用途の異なる商品を並べることで、来場者の買い方に幅を持たせている。

海外で流行した菓子をいち早く扱うという判断も、催事という業態と相性がよい。常設の棚では、定着するか分からない商品を長く置き続けるリスクがある。一方で期間限定の催事であれば、話題性のあるうちに投入して反応を見られる。SNS発の流行が短期間で移り変わる状況では、この機動力が武器になる。

なお同社は9月10日から16日にかけて、高松三越で開催される催事にも出店する。同じ期間に複数の会場へ商品を供給する体制を持っていることが分かる。