株式会社マルハンダイニングが運営するスペシャルティコーヒー専門店「Scrop COFFEE ROASTERS」は、コーヒーデザートの第2弾として「ティラミスコーヒーゼリー」を2026年9月10日から期間限定で販売している。販売は千葉県流山市の流山おおたかの森S.C.店のみで、数量限定となる。価格はドリンク付きのケーキセットが税込1,300円、単品が税込860円だ。

カフェの商品開発という観点で注目したいのが、併設するベーカリーを商品設計に組み込んでいる点である。

ティラミスは一般的に、エスプレッソを浸したビスケットやスポンジを土台に使う。同店はそこに、自家製のホワイトブレッドを採用した。店内にベーカリーを持つという自社の条件を、そのまま商品の差別化要素に変えた形になる。ほろっとほどける食感が全体の味わいを引き立てるという。

ベース部分に使われるコーヒーゼリーには、店舗所在地をイメージした自社オリジナルの「流山ブレンド」を使用する。天日乾燥によるナチュラルプロセスのスペシャルティコーヒーのみを使ったもので、華やかな香りとチョコレートを思わせるコクが特徴とされる。シェフは、この豆の個性を味わってもらうため、口に入れた瞬間に体温でほどける口あたりに仕立てたとしている。

上層には、コーヒーゼリーの風味を引き立てるよう調整を重ねたマスカルポーネのフィリングを重ねる。トッピングにはマーブルチョコ、チョココーティングのドライオレンジ、カカオニブを選び、味のアクセントに加えて写真に撮りたくなる見た目も意識したという。

この見た目への言及は、単価860円のデザートを売るうえで無視できない要素だ。SNSでの拡散が来店につながる商材であり、トッピングの選び方が販促の一部として機能する。

もう1つ押さえておきたいのが、地域との結びつきを軸にした商品開発の流れである。同店は昨年から、地域の食材や生産者と歩む「流山プロジェクト」を始めている。江戸時代から300年以上続く農園の野菜と自家製の五穀食パンを使ったオープンサンドプレートや、白みりん発祥の地という土地の歴史を受け継ぐ酒販店の本みりんを使った自家製パンと焼き菓子などを開発してきた。

こうした地域連携は、単発の商品にとどまらず、店舗の性格そのものを形づくる取り組みになっている。ブレンドの名称に地名を冠している点も含め、その土地でしか成立しない店という位置づけを積み重ねる考え方だ。全国チェーンとは違う戦い方を模索する個店や地域店舗にとって、参考になる構図といえる。

なお原材料にアルコールを含む。使用しているコーヒー豆は店舗と公式オンラインショップでも取り扱っており、200g入りで税込1,980円となる。デザートを気に入った来店客が豆を買って帰るという動線も用意されている。