北部九州と山口でホームセンター「グッデイ」を運営する株式会社グッデイは、地元のプロ野球チームがリーグ優勝した場合、優勝翌日の1日限定でセールを実施すると発表した。対象は全65店舗で、公式LINEアカウントに友だち登録したうえで会計時に会員証を提示すると、買い物の合計金額から5%が引かれる。当日であれば何度でも有効だ。

販促の設計という観点で興味深いのが、開催日が確定していない状態で告知している点である。

通常のセールは日程を決めて準備を進める。一方でこの企画は、優勝が決まるまで実施日が分からない。備えとしては、いつでも始められる状態を維持しておく必要がある。値札やPOPの差し替えではなく、レジでの一括割引という方式を選んでいるのは、その柔軟性を確保するためだろう。会員証の提示で処理できれば、店頭の準備は最小限で済む。

一方で、日付が決まらないことは告知の面では不利にもなる。そこを補うのがLINEの活用だ。友だち登録を条件にすることで、優勝が決まった瞬間に対象者へ直接通知できる。紙のチラシでは間に合わないタイミングでも、登録者には届く。

この構図は、セール自体を会員獲得の手段にも変えている。5%引きという条件を得るには登録が必要なため、優勝への期待が高まる時期に登録者が増えることになる。獲得した会員は、セールが終わった後も通知の対象として残る。

スポーツチームの成績に連動したセールは、地域に根ざした小売でよく見られる手法だ。地元の関心が高まっている時期に合わせられるため、告知の効率がよい。加えて、優勝という出来事そのものが話題になるため、セールの存在も伝わりやすい。

ホームセンターという業態との相性も考えておきたい。5%という割引率は、食品スーパーであれば大きいが、単価の高い商材を扱うホームセンターでは実額が大きくなる。園芸用品や電化製品、エクステリアなど、数千円から数万円の買い物では効果が出やすい。当日何度でも有効という条件も、複数回に分けて買いに来る動機になる。

除外の設定も細かい。指定ゴミ袋、有料レジ袋、非課税の介護用品、配達や工事といった有料サービス、金券、書籍、酒類などが対象外で、税抜20円未満の商品も割引対象から外れる。他の割引やクーポンとの併用も一部できない。粗利の薄い商材や、そもそも値引きになじまない商材を切り分けている形だ。