株式会社バニッシュ・スタンダードは、同社の「FANBASSADOR」の感謝投稿機能「ありがとうポスト™」が大型複合商業施設「イーアスつくば」に採用されたと発表した。同施設では2026年10月1日から12月31日まで、この機能を使った「“スタッフへありがとうを届けよう!”イーアスつくば THANKS ACTION」を実施している。92日間、約3か月の期間だ。

仕組みは館内に設置されたQRコードを起点とする。客はQRコードから専用のWebサイトにアクセスし、感謝を伝えたいスタッフを選んで「ありがとう」を送る形だ。送られた内容はスタッフ向けサービス「STAFF START」を通じてスタッフ本人に届き、スタッフは自身に寄せられた感謝の数やメッセージを確認できる。アプリのダウンロードは不要になる。

参加の方法は2段階だ。館内のQRコードを読み取って専用サイトにアクセスし、「ありがとう」の気持ちに応じて5種類の花束スタンプから選んで贈る形になる。QRコードは対象店舗の店内ポスターとレジ横の掲示物に掲出される。「イーアスつくば公式LINE」(登録者数約8万人)のトーク画面のメニューからも専用サイトにアクセスできる。

開始以来の実績も示されている。2026年10月28日時点で投稿数は約1か月で850件を超えた。イーアスつくばは約200店のショップ、文化施設、レストランが集まる北関東最大級のショッピングセンターで、所在地は茨城県つくば市研究学園になる。対象は同施設で働くスタッフで、一部対象外の店舗がある。

この取り組みで押さえておきたいのが、売上の指標を持たない職種が対象に入っている点だ。リリースで紹介された投稿例3件の宛先は、アパレルスタッフ、警備スタッフ、リラクゼーションスタッフになる。警備スタッフへの投稿は「エスカレーターに洋服を挟んでしまい、対応していただきました」という内容だ。販売職は売上や客数という数字で評価できる部分があるが、警備や清掃、インフォメーションといった職種は売上に直結しないため、貢献を数字で示す指標がない。客と接する機会は多く助けられた場面も生じるが、その対応が記録される経路は限られる形だ。感謝の投稿を集める仕組みは、こうした職種の貢献を可視化する経路になる。

投稿数を店舗数で割ると実感の水準が見える。850件を28日間で割ると1日あたり約30.36件になる。約200店舗で割れば1店舗あたり28日間で約4.25件、1日あたりでは約0.15件の計算で、約6.6日に1件の水準だ。施設全体では毎日30件前後が届く形だが、1つの店舗で見れば週に1件程度になる。同社は「毎日のように『ありがとう』が届いている」としており、これは施設全体で見た場合の表現にあたる。受け取る側の実感は職種や接客の機会によって分かれる部分がある。同じペースが続けば92日間では約2,790件になる計算だ。

QRコードをレジ横に置いた点も設計として意味がある。掲出場所は店内ポスターとレジ横の2か所で、レジ横は会計の瞬間にあたる。接客を受けた直後で記憶が新しい状態であれば、感謝を伝える動機が残る形になる。店内ポスターは買い物の最中に目に入る位置だが、レジ横は接客が完結した直後の位置だ。一方でレジは列が生じる場所でもあり、その場で投稿する形は後ろの客を待たせる部分がある。QRコードを読み取って持ち帰り、店を出てから投稿する形が想定される構成になる。

アプリが不要という条件も客側の障壁と関わる。専用のアプリをダウンロードする形であれば、インストールと登録の工程が生じる部分がある。感謝を伝えるという目的でこの手間をかける客は限られる構成だ。QRコードからWebサイトに移る形であれば、読み取って選んで送るだけで完結する形になる。公式LINEのメニューからも入れる構成は、すでに登録している約8万人が別の経路を持つ形だ。850件は公式LINEの登録者数の約1.06%にあたる計算になる。

3か月の実証実験という形も導入の手順を示している。同社はこれを「ありがとうポスト」の本導入を見据えた検証としており、期間中に寄せられた投稿やスタッフへのアンケートをもとに、仕事へのやりがいとモチベーション、職場への愛着、「働き続けたい」という意向、接客に対する意識の変化を検証する。施設の側から見ると、効果が確認できなければ本導入に進まない選択が残る構成だ。従業員の定着に関わる施策は効果が表れるまでに時間がかかる部分があり、3か月という期間で意識の変化を測る形になる。

施策の根拠として示されたアンケートも数字が出ている。同社が「STAFF START」を利用する店舗スタッフ916人に「現在の仕事で嬉しい瞬間」を尋ねた結果、「お客様から感謝の言葉をもらった時」が最も多い回答になった。客からの感謝がモチベーションの源になるという前提をデータで示す構成だ。小売・サービス業では人材の確保が課題になる形で、採用だけでなく長く働き続けられる環境をどう作るかが論点になる部分がある。

花束スタンプを5種類用意した点も投稿の設計と関わる。「ありがとう」の気持ちに応じて選ぶ形で、感謝の度合いを段階で表せる構成になる。文章を書かずにスタンプだけで送れる形であれば、投稿の手間が下がる部分がある。一方でメッセージも送れる構成で、具体的な場面を伝えたい客は文章を添えられる形だ。紹介された3件の投稿例はいずれも具体的な場面を記した内容になる。

「STAFF START」の導入ブランド数は3,000を超え、アパレル、化粧品、家具・家電、雑貨、食品、サービスなど多様な業種に広がっているとされる。バニッシュ・スタンダードの本社は東京都渋谷区神宮前、代表取締役は小野里寧晃氏だ。実施内容や期間は予告なく変更する場合がある。

出典:株式会社バニッシュ・スタンダード プレスリリース