小田急百貨店町田店は、2026年9月23日に迎える開店50周年を記念し、9月29日まで「大誕生祭」を開催している。期間は9月2日からで、「50年分の『ありがとう』を、これからの50年へ。」をテーマに全館で記念企画を展開する。
周年企画の組み立てという観点で、この事例には参考になる要素が複数ある。
まず記念商品の作り方だ。9月16日から販売するオリジナルエコバッグは、同店の食料品売場で使われているレジ袋をそのまま再現したデザインになっている。価格は1,320円で1,000点限り、先着500点には記念ロゴ入りのチャームが付く。
自店のレジ袋を商品にするという発想は、その店に通っている人にしか意味が伝わらない。だからこそ、長く利用してきた層に刺さる。加えて、販売収益は町田市の事業へ寄付される。買うことが地域への貢献になるという構図を、記念商品に持たせた形だ。
ブランドと組んだ限定品も用意されている。文具店では店舗の外観や街並みを描いた限定デザインのメモが1,001円で、1人1冊限りとなる。別のブランドとのコラボによるエコバッグは2,200円で100点限りだ。いずれも数量を絞り、購入点数に制限をかけている。転売や買い占めを防ぎつつ、来店の機会を分散させる設計といえる。
地域との連携も踏み込んだ内容になっている。9月19日には、地域団体と大学の学群と連携した参加型イベントを実施する。段ボールなどの素材で子どもたちが理想の街を表現する内容で、参加費は無料だ。市の事業を受けて実施するとされている。同日には、ピザ型の段ボールに絵を描くワークショップも開かれる。
百貨店が場所と集客を提供し、地域団体と大学が内容を担うという分担だ。自社だけで子ども向けの企画を作るより負担が軽く、地域とのつながりも示せる。
顧客参加型の企画も見逃せない。4月、6月、7月に店頭で募集した「小田急百貨店に来たらやっぱり〇〇!」という一言コメントを、9月23日から9階で展示する。デパ地下、長いエスカレーター、屋上といった声が寄せられたという。
売場の設備や場所そのものが思い出として語られている点は、周年企画の題材として強い。商品ではなく建物や体験が記憶に残るというのは、長く同じ場所で営業してきた店ならではの資産といえる。
販促としては、9月19日から23日まで抽選会の補助券を配る。1レシート10,000円ごとに1枚、1回の買い物で最大3枚までで、補助券2枚で1回参加できる。賞品は商品券で、ハズレなしの構成だ。補助券2枚という条件は、実質20,000円の購入が必要になる。単価の高い買い物を促す設計になっている。
あわせて、開店記念日の9月23日には、地下1階で1レシート2,000円以上を購入した先着700名に菓子を進呈する。