英国の大手小売企業マークス・アンド・スペンサー(M&S)は、美容大手Sephoraとの戦略的提携を発表した。両社は新たな美容専門売り場「Sephora at M&S」を立ち上げ、2027年春よりM&Sの一部店舗およびM&S.comで展開する。今回の提携は、M&Sが進めるファッション・ホーム・ビューティー事業の変革における重要な一歩と位置づけられている。
Sephoraが持つ美容分野の専門知識やブランドとの関係性、商品発見への強みと、M&Sの信頼あるブランド力、全国的な店舗網、オムニチャネル基盤を組み合わせることで、専門的な美容体験をより多くの顧客・地域に届けることを目指す。M&SはSephoraを英国全土の商店街・リテールパークなど100拠点に展開する予定だ。
新たに刷新される美容売り場は、新規顧客の獲得と既存顧客の来店頻度向上につながることが期待されている。Sephoraにとっても、今回の提携は英国での成長戦略の次なる一歩であり、既存のデスティネーション型店舗、ブティック、デジタル展開に加え、ショップ・イン・ショップ型の小売モデルを通じて、英国で最も信頼されるブランドとされるM&Sを介し、より多くの地域にプレステージ美容体験を広げる狙いがある。
顧客はスキンケア、メイクアップ、フレグランス、ヘアケア、ボディケアにわたり、定評あるブランドと新興ブランド、限定商品を組み合わせた厳選ラインナップを楽しめる見込みだ。店舗では専門の美容スタッフが接客を担当し、M&S.comではより幅広いオンライン品揃えに加え、全国のM&S店舗での宅配・店舗受け取り(Click & Collect)にも対応する。最終的なブランドラインナップや新規取扱いブランド、Sephora限定商品の詳細は、開店が近づいた時点で発表される予定。
M&Sのファッション・ホーム・ビューティー担当マネジングディレクター、John Lyttle氏は、「私たちはM&Sのファッション・ホーム・ビューティー事業を変革し、お客様により良い体験を提供するとともに、より効率的で収益性の高い事業を構築しています。Sephoraとの新たな提携は、この変革の次のステップです。ビューティーはM&Sにとって重要なカテゴリーであり、新規のお客様を呼び込み、既存のお客様の来店頻度を高める可能性を秘めています」と述べた。さらに、「Sephoraとの提携は、今後の当社の美容事業の中核を担うものとなり、Sephoraの専門性とM&Sブランドの強み、店舗網、そして成長を続けるデジタル基盤を組み合わせるものです。同時に、これまで強みと顧客からの信頼を築いてきた自社ブランドの美容カテゴリーへの投資も継続していきます」と語った。
Sephoraの欧州・中東担当プレジデント、Catherine Spindler氏は、「Sephoraは常に、各地域のニーズや機会を反映させながら、美容の専門知識を市場に届ける方法を進化させてきました。英国では、デジタル・アプリ展開、大型店舗『Temples of Beauty』、そしてこの夏ロンドンでデビューした厳選ブティック業態という、意図的に補完し合うエコシステムを構築してきました」と述べ、「英国での展開が大きな成功を収めたことから、さらに踏み込んだ展開を目指したいと考えました。M&Sとの提携はこの戦略の次の進化であり、既存の店舗形態を補完しながら英国におけるSephoraブランドの強みを土台にする新たな小売モデルです」と説明した。
Sephora UKのマネジングディレクター、Sarah Boyd氏は、「Sephoraは英国に登場して以来、地域社会の一員になることは単に店舗を開きオンライン体験を整えること以上の意味を持つと考えてきました。出店する都市ごとに、その土地の文化やクリエイターを称え、オープニングやマーケティングをその地域の人々に合わせて調整する、徹底した地域密着型アプローチを取ってきました」と述べ、「英国で最も信頼され愛され、生活に深く根付いたブランドであるM&Sとの提携は、大きな光栄であると同時に、当社の拡大戦略における非常にエキサイティングな次のステップです」と語った。さらに、「M&Sの店舗に、食品・ファッション・ホームの専門性を補完する最高の厳選ブランドと美容体験を提供することで、英国の商店街における『美容』の在り方を、共に再定義していきます」と結んだ。
なお、英国の美容市場規模は52億ポンドで、2026年7月19日までの52週間で前年比1.2%成長した(WorldPanel by Numerator調べ)。同期間の12週間ベースで、M&Sの美容市場シェアは1.3%だった。
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