せんデータ株式会社は、「小売・外食 定点ダッシュボード」を2026年10月8日に無料公開した。利用料金は無料で、登録も不要だ。更新は毎週行う。

収録する企業は小売64社と外食36社の計100社で、業態は13に分かれる。食品スーパー、ドラッグストア、コンビニ、ファミリーレストラン、カフェ・居酒屋などが含まれる。収録期間は2021年9月からの5年間(60か月)だ。

指標は既存店と全店の売上高、客数、客単価の前年同月比となる。あわせて月次レポートをPowerPoint形式で用意し、メール登録者に毎月無料で配信する。

公開の背景として挙げられているのが、2027年4月からの消費税率の変更だ。政府は2027年4月から2年間、飲食料品の消費税率を8%から1%に引き下げる方針を示している。店内飲食の外食は10%のままとなる見込みで、税率差は2ポイントから9ポイントに広がる。小売と外食の需要の動きを月次の実績で確かめる必要性が高まっているという説明だ。

このツールで押さえておきたいのが、横並びの比較が難しかった理由への対応だ。各社の公表形式はPDF、HTML、画像などで異なり、既存店の定義もそろっていない。そのため比較には手作業が必要だった。同社は各社の月次公表を毎晩自動で確認し、データを取り込む仕組みを作っている。

月次の売上動向は各社が公表しているが、それを集めて並べる作業に時間がかかるという状況は、売場を持つ側が自社の位置を把握しにくい原因になる。1社ずつ資料を開いて数字を書き写す手間がなくなれば、確認の頻度も上げられる。

機能は6つに整理されている。1つ目が小売と外食の売上高・客数・客単価を並べて表示する機能で、前年超えか割れかを色で示す。平均推移グラフや前年超え企業の割合も確認できる。2つ目が任意の2業態を選んで比較する機能、3つ目が業態ごとに前年超え企業の割合(業態DI)を一覧にする機能だ。

4つ目が100社の前年比を月単位のヒートマップで表示する機能で、12か月、24か月、5年から選べる。5つ目が土日祝日数、消費者物価指数、訪日外客数、都道府県別の気温・降雨日数・人口を表示する機能となる。6つ目が内閣府「景気ウォッチャー調査」の回答からキーワードを抽出し、ワードクラウドで表示する機能だ。

土日祝日数を併せて表示する点は、月次の数字を読む際に実務的な意味を持つ。前年同月比は土日の日数が1日違うだけで動く指標で、売上が落ちた理由が需要の変化なのか日数の差なのか区別しにくい場面がある。気温や降雨日数も、来店客数に影響する要素として同じ画面で確認できる形になる。

このほか、企業ごとの順位表示と最大4社の推移比較、景気ウォッチャーDIと回答抜粋の掲載、各社の月次コメントから抽出した好調・不調の要因キーワードも用意する。

データの扱いについての注意事項も明示されている。未公表の月は空欄とし、0や前月値で補っていない。既存店の定義、締め日、EC・FCの扱いは企業ごとに異なるため、企業間の比較は目安とするよう示している。業態平均、業態DI、急上昇・急下降は同社が公表値から集計したもので、現場の声のキーワードも同社が独自に分類・集計したもので内閣府の公表値ではないとしている。

この種の但し書きがある点は、データを扱うツールとしては確認しておきたい部分だ。既存店の定義が企業ごとに違う状況で数字を並べれば、そのまま優劣として読めない場面が出てくる。補完をしていないという明示も、空欄の月を実績ゼロと誤読することを防ぐ。

データの出典は、各社の月次資料に加えて、総務省統計局「消費者物価指数」、日本政府観光局「訪日外客統計」、気象庁、総務省「住民基本台帳に基づく人口」、内閣府、経済産業省「商業動態統計」、スーパーマーケット協会各団体の販売統計などとなる。

同社は自社データとの組み合わせ分析や、同様の自社向けダッシュボードの構築についても相談を受け付けている。

せんデータは2026年4月設立で、本社は東京都港区。BIダッシュボード構築、AI×データ連携構築、データ活用支援、業務自動化支援、WEBサービス開発を手がけている。

出典:せんデータ株式会社 プレスリリース