株式会社阪急阪神百貨店は、食育プログラム「食育キャラバン in 丹波×阪神百貨店」を2026年10月17日に阪神梅田本店1階「おやつのひきだし」で実施する。参加した子どもたちが売場に立ち、呼び込みと接客、商品説明に挑戦する内容だ。農林水産省の取組証明を受けたプログラムとされている。
開催は2部制で、前半の部が13時から14時45分まで、後半の部が15時から16時45分までとなる。このうち売場での体験は前半が14時15分から14時45分、後半が16時15分から16時45分の各30分だ。参加人数は各部最大15名、計30名程度を予定している。
販売する商品は、兵庫県丹波市の和洋菓子ブランド「やながわ」の栗入りどら焼き「どら福」だ。この商品には、子どもたちが収穫した栗の一部も使われている。
この企画で押さえておきたいのが、産地での体験と売場での販売をつなげている構成だ。2026年9月26日に丹波市で「丹波栗の収穫・商品づくり体験」を実施済みで、参加した子どもたちは雨のなかで栗を収穫し、どら焼き作りも行った。その約3週間後に、同じ子どもたちが売場に立つ流れになる。
産地での収穫体験を単発で終わらせず、商品が売られる場所まで続ける組み立ては、食育の内容としても売場の運営としても意味を持つ。自分が収穫した栗が入った商品を、自分の言葉で客に説明する形であれば、作る側と売る側の距離が体験として伝わる。収穫だけで終われば、その後どう商品になり誰が買うのかは見えないままになる。
売場での使い方も具体的だ。子どもたちが描いたオリジナルのPOPと掛け紙を、実際の売場で使用する。来店客から見れば、手描きのPOPが並ぶ売場になり、通常とは異なる見え方になる。
役割の分担も設けている。「呼び込みチーム」と「販売チーム」に分かれ、接客マナーを練習してから店頭で実践する。修了時には「認定カード」が授与される。
呼び込みと販売を分ける形は、実際の売場の業務に沿った構成になる。声をかけて足を止めてもらう役と、立ち止まった客に商品を説明して売る役は、求められる動き方が違う。両方を1人でやらせるより、役割を決めて短時間に集中させる方が、30分という枠では成り立ちやすい。
当日の進行は時間ごとに組まれている。13時から13時20分が集合・受付と事業説明、13時20分から13時45分が商品理解、試食、接客練習だ。13時45分から14時15分に売場へ移動し、導線の確認と売場づくりを行う。14時15分から14時45分が店頭での呼び込み、販売、商品説明となり、その後に振り返りと認定カードの授与、保護者への引き渡しに移る。時間は進行状況により前後する場合がある。
売場に出る前に45分をかけて商品の理解と接客練習に充てている点も、構成として理にかなっている。商品の背景を知らないまま店頭に立てば、説明が成り立たない。試食を含めている点は、自分が味を知ったうえで客に伝える前提を作る形になる。
受け入れる側から見ると、1階の売場を30分単位で2回使う構成になる。通常の営業時間内に実施するため、来店客はそのまま買い物を続けられる。産地との関係づくりと、子ども連れの層との接点づくりを同時に進められる形だ。参加する子どもには保護者の引き渡しがあるため、保護者の来店も伴う。
このイベントは、エイチ・ツー・オー リテイリングとJTBの共創プロジェクトに関連している。産地での体験を旅行会社と組んで構成する形で、収穫体験の部分を百貨店だけで手配する必要がなくなる。