東芝テック株式会社は、「フラッパーゲート」が2026年度グッドデザイン賞を受賞したと発表した。セルフレジエリアの出口に設置する開閉式のセキュリティゲートだ。

会計後、紙レシートまたは「スマートレシート」アプリの電子レシートをスキャナにかざすと、LEDの点灯と音声とともにフラッパー(開閉部)が開く。レシートがない場合、一度通過したレシート、他店のレシートでは通過できない。

この製品で押さえておきたいのが、従業員の負担に関わる部分だ。同社は、未会計の判断がしやすくなることによる支払い漏れの抑止に加えて、従業員が声掛けする際の心理的負担の軽減を挙げている。

セルフレジで会計を済ませたかどうかの確認は、人が行う場合に判断を伴う作業になる。会計を忘れたまま出ようとする客に声をかける必要がある一方、済ませている客に声をかければ疑ったことになる。見分けがつかない状況で判断を求められる構成だ。

ゲートがレシートで開閉する形であれば、この判断は機械の側に移る。会計したかどうかはレシートの有無で決まり、従業員が見分ける必要がなくなる。一度通過したレシートや他店のレシートでは開かない仕様も、判定を機械的に行うための条件にあたる。

人手不足のなかでセルフレジを増やす場合、この点は運用に関わってくる。有人レジを減らしてセルフレジに置き換えれば、会計の作業は客側に移る一方、確認の役割は残る。確認のために人を配置すれば、削減した人員が戻ることになる。

導入の条件も示されている。電源1つで稼働し、工事やシステム連携が不要な設計のため、店舗への導入負担を抑えているとしている。

システム連携を必要としない点は、導入までの期間に影響する部分だ。POSシステムと接続する形であれば、既存のシステムの仕様確認やベンダーの対応が前提になる。レシートを読み取るだけで動く構成であれば、ゲート単体で設置できる。電源のみという条件も、設置場所の制約を小さくする。

デザインの特長は3点挙げられている。1つ目がコンパクトさと信頼感の両立で、限られたスペースに設置しやすいスリムな形状としながら、セキュリティゲートとしての存在感と安心感を備える構成だ。2つ目が側面形状で、側面をシンプルにそぎ落とし、買い物客やショッピングカートが通過しやすい空間を確保している。3つ目が天面の長尺LEDによる案内で、通過方向や通過可否を伝える。

セルフレジエリアに設置する設備として、形状が通行に関わってくる。買い物かごやカートを持った客が通る場所のため、幅が狭ければ通りにくくなる。セルフレジの周辺は、レジ本体、袋詰めの台、通路が限られた面積に収まっているため、追加する設備の厚みも設置の判断に影響する。

長尺LEDによる案内は、人員の配置と関わる部分だ。光と音により、従業員が離れた場所からでも状態を把握できるとしている。ゲートの近くに人を置かなくても、別の作業をしながら状況が分かる構成になる。

開閉方式は「奥開き」と「上下開き」の2種類に対応している。設置する場所の広さや動線によって選べる形だ。

審査員の評価では、従来からある課題を丁寧に検証し、ひとつずつ解決してデザインに落とし込んだ点が挙げられている。板金の折り加工だけで製造できる構成は生産性の向上につながり、薄型でスッキリした筐体を実現しているとしている。

あわせて、現地での設置作業から撤去後の片付けまで考慮されており、施工者への配慮と環境への配慮を両立している点も評価された。

撤去後まで含めて設計する形は、店舗の設備の扱いとして読める部分だ。店舗は改装や閉店で設備を入れ替える場面がある。設置したものを外す作業や、外した後の処理まで考えられていれば、その時点の負担も変わってくる。

受賞製品は、2026年10月31日から11月4日まで東京ミッドタウンで開催される「GOOD DESIGN EXHIBITION 2026」に展示される。

同社は、流通小売業における人手不足や業務効率化のニーズに対応するソリューションを提供し、顧客体験の向上を目指すとしている。

なお、価格や発売日についての記載はない。

出典:東芝テック株式会社 プレスリリース