株式会社大創産業は、2つの企画が2026年度グッドデザイン賞を受賞したと発表した。主催は公益財団法人日本デザイン振興会だ。対象はDAISOの「両面使える組み立て式三角爪とぎ」と、Standard Productsの「瀬戸内オリーブのスキンケア」となる。

爪とぎは段ボール製の猫用で、同じ形のパーツを組み立てるとトンネル状の立体構造になる。価格は500円(税込550円)で、2026年12月の発売を予定している。

この商品で押さえておきたいのが、開発の最大の課題として挙げられている点だ。両面使用の機能性と、店頭での陳列効率を両立させることだったとしている。

爪とぎは立体の商品であれば場所を取る商材にあたる。箱型やトンネル型の形状をそのまま店頭に並べれば、1点あたりの占有面積が大きくなる。棚に置ける数が減れば、売場で確保する面積に対する売上も下がる。

組み立て式にする構成は、この条件に対応する形になる。基本は板状のため、陳列の段階では薄く積める。客が購入して組み立てた時点で立体になるため、使う側には立体の商品として届く。陳列と使用で求められる形が違う商材に対して、状態を分ける組み立てだ。

小売が自社で商品を作る場合、この種の条件を最初から設計に入れられる点が違いになる。メーカーが作った商品を仕入れる形であれば、陳列の効率は後から向上させにくい。棚に収まらない形状であっても、既にできている商品を変えることはできない。売場を持つ側が開発に関わる構成であれば、棚の制約を前提にした設計ができる。

同一形状のパーツを組み合わせる点も、製造の面で意味を持つ。別々の形の部品を使えば、それぞれの型が必要になる。同じ形を複数使う構成であれば、型は1つで済む。

開発の過程では、手描きの図面をもとに紙を切り抜いて組み立てる検証を繰り返し、使い勝手と店舗での扱いやすさを両立させたとしている。資源やコストへの問題意識から、無駄なく使い切れる両面デザインを目指した。

審査員は、板状の爪とぎが一般的な中で組み立てによって立体構造を生む設計を評価した。トンネル状の形状は猫の関心を引くとされ、コストパフォーマンスも高く評価されている。

もう1つの受賞対象が、Standard Productsの「瀬戸内オリーブのスキンケア」だ。洗顔石鹸、フェイスマスク、リップクリームのシリーズとなる。

価格は洗顔石鹸が500円(税込550円)、フェイスマスクが3枚入300円(税込330円)と8枚入500円(税込550円)、リップクリームが300円(税込330円)だ。

フェイスマスクの1枚あたりを計算すると、3枚入が110円、8枚入が約69円になる。8枚入は3枚入より1枚あたり約37%安い計算だ。

価格が330円と550円の2つに収まっている点も構成として読める。同社の価格帯に合わせた設定で、シリーズとして並べたときに価格の種類が2つに限られる形になる。売場での表示も、この2つを示せば済む。

背景には地域支援がある。同社はNPO法人瀬戸内オリーブ基金のサポーターとして、香川県豊島の環境再生を支援している。豊島はかつて島外から持ち込まれた産業廃棄物による深刻な環境被害を受けた場所で、オリーブはその再生のシンボルにあたる。

商品を通じて地域支援を続けるとともに、過去の出来事を風化させないことを狙いとしている。

審査員は、豊島の環境再生を支援しつつ、事件の記憶を日常の買い物に自然に組み込んだ点を評価した。手頃な価格と品質を両立させ、社会課題を身近な商品から継続的な関心につなげている点に意義があるとしている。パッケージもオリーブグリーンを基調に、背景や特性を簡潔に伝える構成だ。

日常的に買う商品に支援の仕組みを載せる形は、継続する前提になる。寄付を募る形であれば、意思を持った人がその時に行動することになる。普段使う洗顔石鹸やリップクリームであれば、使い切るたびに買い直す商材だ。

この商品は2025年11月の発売以来、Standard Productsの定番商品となっている。期間限定ではなく定番として置き続ける構成であれば、売場に並ぶ期間も長くなる。Standard Products商品の受賞は、今回で4回目だ。

大創産業は「世界中の人々の生活をワンプライスで豊かに変える」を理念に掲げ、DAISO、Standard Products、THREEPPYを展開している。取扱商品は約58,000点、店舗数は世界26の国と地域に5,891店舗(2026年2月現在)だ。1977年12月設立で、資本金は27億円、売上高は連結7,710億円、単体6,983億円(2025年3月〜2026年2月末)となる。

出典:株式会社大創産業 プレスリリース