株式会社ファミリーマートは、岐阜県と名古屋鉄道株式会社と連携したインバウンド誘致キャンペーンを2026年11月1日から2027年2月28日まで実施する。3者による取り組みは初めてで、期間は120日間となる。
対象は旅行予約サイト「KKday」で期間中に対象商品を購入した人で、主なターゲットは台湾からの訪日客だ。名鉄グループのインバウンド向け旅行商品を購入すると、ファミリーマートで使える商品引換券がもらえる。特典配布会場でスマートフォンの購入画面を見せ、専用チラシの二次元コードを読み取る形で引換券を入手する。
引換券で選べるのは、プライベートブランド「ファミマル」の3商品だ。「なめらかチョコを味わうチョコビスケット」「チョコを味わうコーンチョコ」「くちどけなめらかチョコマシュマロ」となる。
この施策で押さえておきたいのが、特典配布会場によって内容が変わる点だ。
会場は3か所ある。名鉄名古屋駅サービスセンター(愛知県名古屋市中村区)は引換券のみ、緑水庵 川原町店(岐阜県岐阜市)は引換券と鮎菓子、新穂高ロープウェイ(岐阜県高山市)は引換券とアルプスのプリンだ。
名古屋駅は移動の経路にあたる場所で、岐阜県内の2か所は目的地になる。この差が特典の内容に反映されている形だ。
訪日客の訪問先は都市部に集中する傾向がある。移動の便が良く、情報も多いためだ。地方へ足を運ぶには、そこへ行く理由と移動の時間が必要になる。
地方の会場で受け取れる特典を厚くする形は、この構造に対応している。名古屋駅で引換券だけを受け取る形でも条件は満たせるが、岐阜県内の会場へ行けば地域の菓子も加わる。
「エアポートきっぷ」の購入者は、会場に関係なく引換券のみとなる点も、この設計に沿っている。空港と都市を結ぶ移動だけの商品であれば、地方への訪問を伴わない。特典の差は、移動の範囲に対応する形だ。
特典は1商品購入につき1回限りで、複数会場での受け取りはできない。3か所を回って3回受け取る形にはならないため、どの会場で受け取るかという選択が生じる。地方の会場を選べば特典が増えるが、そこまで行く必要がある構成だ。
引換券を使う場所も見ておきたい。受け取りは旅行先の会場だが、使うのはファミリーマートの店舗になる。
旅行商品を買った段階で特典が確定するのではなく、現地の会場で受け取り、さらに店舗で商品に換える形だ。旅行の行程の中に、会場への立ち寄りと店舗への来店という2つの行動が組み込まれる。
訪日客はコンビニを利用する層にあたる。飲料や食品を買う場面があり、店舗の数も多い。引換券があれば、その中で来店の理由が1つ増える形になる。
対象商品が3種すべてチョコ菓子である点も、商材の性質と関わる。常温で持ち運べるため、旅行中に荷物として扱える。その場で食べる形でも、持ち帰る形でも成立する。
プライベートブランドの商品を選ぶ構成は、認知の面にも関わってくる。引換券で初めて手に取る商品であれば、その後の購入につながる可能性もある。
背景として示されているのが、台湾からの訪日客の数だ。日本政府観光局(JNTO)の2026年9月16日発表によると、2026年8月の台湾からの訪日客は666,000人で、前年同月比7.3%増となった。増加分は約45,000人にあたる。
同局は、訪日旅行の人気の継続、スクールホリデー、航空座席数の増加などを理由に挙げ、8月の訪日外客数が過去最高になったとしている。一方で、台風による航空便やクルーズ船への影響もあったとしている。
期間を11月から2月に設定している点も、季節と関わる部分になる。新穂高ロープウェイが会場に入っていることから、冬の山岳観光も対象の範囲に含まれる形だ。
販路の面では、台湾の旅行予約サイトを使う形になる。キャンペーンページは繁体字中国語版で用意されている。日本国内での告知ではなく、旅行を計画する段階で情報が届く構成だ。
なお、特典はなくなり次第終了となる。
同社は2026年9月に創立45周年を迎え、「いちばんチャレンジ」を合言葉に取り組みを進めているとしている。