株式会社サンセリーテは、焼菓子の新ブランド「Beurre D’or(ブール・ドール)」を立ち上げ、2026年10月29日から11月4日までラゾーナ川崎プラザ1階グランフード・サンワ前で初のPOP UP SHOPを開催する。期間は7日間で、営業時間は10時から21時までだ。ブランド名はフランス語で「黄金のバター」を意味する。
同社はパティスリー「トシ・ヨロイヅカ」を運営しており、新ブランドはテイクアウト専門となる。
このブランドで押さえておきたいのが、常設店を持たずに展開する構成だ。
同社は今後の展開として、POP UP SHOPや販売コーナーを展開する予定とし、常設店の出店は未定としている。あわせて、駅、空港、サービスエリアなどでの販売を通じて東京・神奈川の新しいお土産ブランドを目指すとし、バイヤーや事業者からの問い合わせを受け付けている。
常設の店舗を構える形では、家賃と人員が固定費になる。立地を決めた後は、その場所での売上で費用を回収することになる。
POP UPや販売コーナーで展開する形では、この構造が変わる。期間を限って場所を借りるか、他社の売場の一部を使う形になるため、固定費を持たずに販売できる。一方で、売場の確保は相手方の判断に依ることになる。
商業施設や小売の側から見れば、この形は誘致の対象になる。常設のテナントとして区画を貸す判断とは別に、期間限定の催事区画に入れる判断ができる。問い合わせを受け付ける形で示されているため、売場を持つ側から打診する流れも成立する。
既存ブランドとの関係も見ておきたい。トシ・ヨロイヅカはパティスリーで、新ブランドは焼菓子を扱う。
パティスリーの商品は生菓子が中心になる。店舗で売り、その日や翌日に食べる形だ。消費期限が短いため、販売できる場所は店舗の近くに限られる。
焼菓子は日持ちする商材にあたる。駅や空港、サービスエリアで売る形が成立し、持ち帰って後日食べることもできる。土産として渡す用途にも向く。
同じ会社が別のブランドで焼菓子を出す形は、この販路の違いに対応している。パティスリーの名前で焼菓子を売る形も可能だが、別のブランドにすれば土産としての位置づけが明確になる。
商品の構成は3種類だ。「パレ・ブルトン」はブルターニュの伝統的な厚焼きクッキーで、プレーン単品250円、ショコラ単品270円、アールグレイ単品270円となる。「ガトー・ナンテ」はラム酒を効かせたナント地方の伝統菓子で単品270円、「パルミエ・パイ」はキャラメリゼした層状のパイ菓子で単品250円だ(いずれも税込)。
同社はフランス産バターやブルターニュ地方の塩などヨーロッパの素材を使い、原材料費や物流費の高騰が続く中でも手に取りやすい価格を目指すとしている。輸入素材を使いながら単品250円から270円の水準に収める構成になる。
ギフトは木箱入りで、ブルターニュの風景をイメージしたデザインとなる。パレ・ブルトン5個入(プレーン5個)が1,800円、8個入(プレーン4、ショコラ2、アールグレイ2)が2,600円、12個入(プレーン4、ショコラ4、アールグレイ4)が3,600円だ。
1個あたりで計算すると、5個入が360円、8個入が325円、12個入が300円になる。個数が増えるほど1個あたりの金額は下がる形だ。
一方で、単品のプレーンが250円であることと比べると、ギフトはいずれも単価が高い。5個入は1.44倍、8個入は1.3倍、12個入は1.2倍にあたる。
この差は木箱の仕様によるものと読める。単品で買う形であれば簡易な包装で済むが、木箱に入れる形では容器の費用が加わる。土産や贈答として渡す用途であれば、箱の体裁が商品の一部になる形だ。
売場の側から見ると、単品とギフトは別の需要に対応する。自分で食べる客は単品を選び、人に渡す客はギフトを選ぶ。価格帯も250円と1,800円以上で大きく分かれるため、同じ売場で異なる客層に売る構成になる。
8個入と12個入の中身の構成も分かれている。5個入はプレーンのみ、8個入はプレーン4とショコラ2・アールグレイ2、12個入は3種が各4個だ。個数が増えるにつれて種類の配分が均等になる形になる。
今後の展開としては、焼きたて商品の提供も検討しているとされる。季節の限定商品や、他のヨーロッパの伝統菓子も順次追加する予定だ。
POP UP期間中の10月29日と31日には、シェフの鎧塚俊彦氏が来店し、購入商品へのサインと記念撮影を行う予定となる。
サンセリーテは本社を東京都中央区京橋に置き、洋菓子の製造・販売、パティスリー、農園運営を手がけている。新ブランドは、鎧塚氏の修業時代の思い出の地であるヨーロッパの焼菓子を届けたいという想いから立ち上げられたとしている。