株式会社アトレは、産官学連携のアートイベント「JamJam展2026」を2026年11月19日から24日まで、アトレ取手4Fの「たいけん美じゅつ場 VIVA」内「とりでアートギャラリー1・3」で開催する。時間は各日10時から18時までで、入場は無料だ。

主催は取手市、東京藝術大学、JR東日本、アトレの4者で、2025年に始まったイベントの2回目にあたる。

この企画で押さえておきたいのが、商業施設のフロアを文化施設として使う構成だ。

VIVAは取手市、東京藝大、JR東日本、アトレが連携して生まれた文化交流施設で、アトレ取手の4階にある。商業施設の上層階は、物販のテナントを入れても集客が難しい場所にあたる。買い物の客は下の階に集まりやすく、上まで上がる理由が必要になる。

文化施設を置く構成は、この条件への対応として読める。賃料を得るテナントとは異なり、収入には直接つながらない。一方、展示や体験を目的に訪れる客は、その階まで上がることになる。上の階から下りる途中で他の売場を通る流れも生まれる。

運営の体制も特徴にあたる。市、大学、鉄道会社、商業施設の運営会社という4者が関わる形だ。それぞれが持つものが異なるため、役割も分かれる。大学は作品と人材、市は地域との関係、鉄道会社と商業施設は場所と人の流れを担う構成になる。

プログラムのなかで、施設の外に出る企画も用意されている。「アトリエバスツアー」は11月21日、22日、23日の3日間、各日2回(10時30分から12時30分、14時から16時)の計6回実施する。各回の定員は15名で先着順、事前予約制で無料だ。井野アーティストヴィレッジなど6か所のアトリエを巡る。

6回で各15名のため、受け入れる人数は合計90名となる。2時間で6か所を巡る構成では、1か所あたり約20分の計算だ。

商業施設を起点に地域を巡るツアーを組む形は、施設の役割を変えることになる。通常は施設の中で完結する催しが多い一方、外に出て戻る構成であれば、施設が地域への入口として機能する。普段アトリエを訪れる機会がない人にとっては、案内がある形で地域を見られる機会になる。

館内では「東京藝大オープンアーカイブ」として公開収蔵庫も開放する。時間は11時から12時までと14時から18時までで無料だ。11月21日と22日には鑑賞プログラムも実施する。

大学の収蔵品を商業施設で見られる構成は、場所の使い方として珍しい部分にあたる。収蔵庫は通常、大学や美術館の内部にあり、一般に開放される機会は限られる。買い物に来た客が通りかかる場所に置けば、目的を持たずに訪れた人も目にすることになる。

体験型の企画としては「東京藝術大学 木工芸ワークショップ」を11月21日と22日の10時から17時30分まで実施する。無料で予約優先だ。内容は鉋(かんな)体験と、削りたての鉋屑を使った小物づくりとなる。

鉋屑を材料に使う構成は、体験と制作をつなげる形になる。鉋をかければ必ず屑が出るが、通常は削った後に残るだけのものだ。それを小物の材料にすれば、自分が削った分が形になって残る。体験だけで終わらず持ち帰るものができる構成だ。

同時開催として「取手藝祭2026」も11月21日と22日に行われる。東京藝大取手校地を第1会場、VIVAを第2会場とする構成で、入場無料・予約不要だ。

大学の校地と商業施設を2つの会場として使う形は、両者の距離と人の流れに関わる。大学だけで開けば、来るのは大学に用のある層が中心になる。商業施設を会場に加えれば、買い物に来た客も対象に入る。

出展作家は、新妻篤氏、森岡慎也氏、深谷直之氏、諏訪部佐代子氏、君島英樹氏、norimasa ejiri氏、杉浦瞳子氏、薗部秀徳氏、表良樹氏、鈴木厚氏、Leather5160、メノー・横川奈月氏、須釜衣緒里氏、浅野克海氏、龍羽均氏だ。取手で活動するアーティストの作品を展示する。

地域で活動する作家に絞る構成は、その土地との関係を示す形になる。全国から作家を集めれば内容の幅は広がるが、地域とのつながりは薄くなる。取手で活動する人に限れば、同じ地域に住む客にとって身近な存在として受け取られる余地が生まれる。

背景として、取手アートプロジェクトは1999年に始まり、VIVAの運営にアトレと共同で関わっている。

出典:株式会社アトレ プレスリリース