株式会社阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店地下1階フードステージで「京生湯葉ラップサンド『yuppa』ポップアップストア」を2026年10月21日から27日まで開催している。東京・表参道の京生湯葉ラップサンド専門店で、同店としては初登場となる。

商品は3種だ。「ORIGINAL MAZESOBA」は1,101円で、醤油ベースの茶そばのまぜそばを生湯葉で包んだシグニチャーフレーバーにあたる。「AVOCADO SALMON & CREAM CHEESE」は1,250円で、アボカド、サーモンクリーム、雑穀米の酢飯、わさび醤油ジュレを合わせてポキ風に仕立てた。「LEMON CHICKEN」は1,250円で、塩ダレで味付けしたレモンチキンを使う。

この商品で押さえておきたいのが、包む素材を替えている点だ。

ラップサンドは通常、小麦粉を使った生地で具材を包む形式になる。この店では、その部分を京生湯葉に置き換えている。形式は変えずに素材を差し替える構成だ。

湯葉は懐石料理で使われる食材にあたる。料理店では一品の中の要素として出てくるもので、家庭で日常的に買う品目ではない。扱いにも手間がかかり、調理の方法を知らなければ使いにくい。

この食材を片手で食べられる形にすれば、価格帯と提供の形式が変わる。懐石料理店では数千円から数万円のコースの一部として出てくるものが、1,101円から1,250円の単品になる。食材は同じでも、買う場面と客層が別のものになる形だ。

同店のオーナーは、京都で懐石料理を手がける職人を父に持つとされる。敷居が高いとされる京生湯葉をもっと日常的に楽しんでほしいという思いで立ち上げたという。上質で高タンパクな生湯葉の食感を生かし、片手で手軽に食べられる新しいヘルシーファストフードとして提案している。

中身の構成も見ておきたい。包む素材は和の食材だが、具材は3種それぞれで性質が異なる。

ORIGINAL MAZESOBAは茶そばのまぜそばで、醤油ベースの味付けになる。AVOCADO SALMON & CREAM CHEESEはポキ風で、アボカドとサーモン、クリームチーズの組み合わせだ。LEMON CHICKENは塩ダレで、鶏肉を使う。

包材を和の食材で固定しながら、中身を幅のある構成にする形は、選ぶ側の入口を広げることになる。湯葉という素材に馴染みがない客でも、中身の内容で選べる。まぜそば、ポキ風、レモンチキンという並びであれば、和食に限らない層にも届く。

価格の設定にも順序がある。シグニチャーのORIGINAL MAZESOBAが1,101円で、他の2種が1,250円だ。差は149円で、最初に試す商品が最も安い水準に置かれている。

初めて来た客が何を選ぶか分からない場合、看板商品を上位の価格に置けば、試す側の負担が増える。シグニチャーを最安にすれば、まず試す商品としての位置づけになる。残る2種は具材の内容が異なるため、再訪時の選択肢として残る形だ。

会期の設定も、館全体の企画と関わってくる。阪急うめだ本店では10月21日から11月3日まで、全館で「Japan and me.」を開催している。日本の伝統や技の魅力を再発見する企画で、今回のポップアップはこれに合わせたものだ。

全館企画は14日間だが、ポップアップは7日間で、期間は半分にあたる。全館の企画の前半に合わせて置く形になる。

京都の食材を使う店を日本の伝統を扱う企画の中に置く構成は、テーマとの対応が取れる。一方で提供の形はファストフードであるため、伝統の素材を現在の形式で出す例としても位置づけられる。

デパ地下での短期のポップアップという形も、この業態と対応している。店舗を構えずに7日間で出入りする形であれば、他の地域の店を試す場になる。買う側は、その土地に行かずに商品を知ることができる。

出典:株式会社阪急阪神百貨店 プレスリリース