カナダの小売大手Loblawは、サプライチェーン網の進化について紹介する記事を公開した。商品がサプライヤーの手を離れてから店頭に並ぶまでの過程は、顧客の目に触れることはほとんどないが、その裏では配送センター、輸送チーム、テクノロジーが日々連携して機能しているという。
目まぐるしく変化する顧客ニーズに対応するため、サプライチェーンチームは需要予測から商品の適切な配送まで重要な役割を担っている。同社は、単に商品を速く動かすことだけを目指すのではなく、状況の変化に対応できる、より高い対応力と回復力を備えたサプライチェーンの構築を目指しているとしている。
最高サプライチェーン責任者のRob Wiebe氏は、「私たちは変化をより良く予測し、対応できるサプライチェーンを構築しています。ネットワーク、テクノロジー、輸送能力への投資を通じて、現在の店舗や顧客へのサービスを強化しながら、将来必要とされるものにも備えています」と述べている。
その中核を担うのが、オンタリオ州タラモアに建設中の新しい自動化配送センターで、2028年初頭の稼働開始を予定している。また、イースト・グウィリンベリー配送センターでは既に大規模な自動化が稼働しており、週に200万ケース以上を出荷。倉庫内の効率・正確性・安全性向上のため、自動搬送ロボット(AGV)の導入も進んでいる。
サプライチェーンの未来は、物理的な自動化だけにとどまらない。AIとデジタルツールは、混乱を事前に予測し、顧客への影響が出る前に対処すべき機会を特定する手助けをしている。AIを活用した需要予測は、顧客ニーズの理解や必要な商品の予測、在庫配置の最適化にも役立っている。さらにAIは入荷スケジュールの自動化にも活用されており、手作業を減らし、ネットワークに入ってくる商品の調整を容易にしている。デジタルツールはベンダーとの連携のあり方も変えており、在庫の効率的な配送を後押ししている。
また、配送センターでのドライバーのチェックイン手続きもテクノロジーにより効率化されている。自動化されたゲートハウス、光学認識、書類処理の自動化により、手作業のステップが減り、車両の通過がスムーズになっているという。
輸送面でも進化が進む。Loblawはカナダ最大級のクラス8電動トラック隊を運用しており、水素燃料電池技術の試験導入も進めている。車両隊には自動運転トラックも含まれ、商品をより安全かつ効率的に輸送する新たな方法を模索し続けている。イースト・グウィリンベリーでは100%電動のシャントトラック(構内牽引車)が稼働しているほか、同施設にはサッカー場約7.5面分に相当する4万3,500平方メートルの太陽光パネル屋根が設置されており、年間850万kWh超のクリーン電力を発電し、余剰分は送電網に還元されているという。
こうした一連の投資により、より賢い計画立案から自動化施設、新しい商品輸送方法まで、将来のサプライチェーンに必要な能力を構築しているとし、顧客ニーズの変化に合わせてサプライチェーンも進化を続けていくとしている。
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