株式会社シノプスは9月24日、株式会社山岸が運営する「ヤマキシ」のスーパーセンターやホームセンターなど10店舗に、シフト・作業スケジュール自動作成AIサービス「sinops-WLMS WORK」が導入されたと発表した。従業員の作業実績を記録・分析し、店舗ごとの作業ルールの統一や人員配置の見直しに活用している。

ヤマキシは石川県と福井県で店舗を展開し、地域ごとの需要に対応するため、店舗への権限移譲を進めてきた。一方、シフトや作業スケジュールの管理方法が店舗ごとに異なり、担当者に依存する運用が課題となっていた。

作業項目や基準も統一されておらず、全社で作業にかかる時間を比較・把握することが難しい状況だった。各スタッフが作業時間や進め方を判断していたため、標準的な所要時間が見えにくく、業務改善や評価基準の整備にも課題があったという。

こうした背景から、業務の標準化と作業実態の可視化を目的に「sinops-WLMS WORK」を導入した。同サービスは、勤務シフト、作業スケジュール、作業の割り当てを自動作成する機能に加え、スマートフォンを使った作業計画と実績の管理に対応する。

運用開始にあたり、ヤマキシでは従業員がスマートフォンから作業実績を入力し、日々の記録を蓄積する取り組みを始めた。データを分析した結果、検品作業のルールが店舗によって異なるなど、従来は把握しにくかった違いが明らかになった。

記録から見つかった課題をもとに、全店共通の作業ルールや手順の整備を進めた。同時に、実際の作業状況に合わせてスケジュールと人員配置を見直し、必要以上の作業時間を計画に組み込むことを抑えた。

シノプスによると、こうした運用を通じ、人時売上高は前年の水準に対して最大110%まで向上した。人時売上高は、従業員の総労働時間1時間あたりの売上高を示す指標。ヤマキシは現在も、作業記録を通じて把握した課題に対応し、全社でルールや手順の標準化を進めている。

ヤマキシの常務取締役、山岸秀人氏は、作業実績の記録によって現場の課題を数値として把握できるようになったと説明している。また、自動シフト計画や作業割り当てを活用する中で、作業に対する考え方や雇用条件に関する新たな課題も明確になったとして、運用の定着と改善を進める方針を示した。

今後は、作業記録の分析とシフト・作業スケジュールの見直しを繰り返し、総労働時間の削減を目指す。レジの種類ごとに必要な稼働台数を自動算出し、計画的な応援体制を構築する取り組みも予定している。

さらに、シノプスの自動発注システムと連携し、商品補充作業の効率化を進める計画だ。シノプスは、システムの活用と現場への定着を継続して支援するとしている。

山岸はホームセンターや食品スーパーの運営を軸に、移動スーパー、EC通販、燃料販売、住宅リフォームなどを手がける。シノプスは需要予測型自動発注サービスなどを開発・販売し、小売業の在庫管理や店舗業務を支援している。