株式会社ファミリーマートは、「焼きいも」をリニューアルして2026年10月20日に発売した。価格は276円(税込298円)で、沖縄県を除く全国約5,600店で販売する。

さつまいもを1本ずつアルミホイルで包み、店内の専用オーブンで約2時間焼き上げる。アルミホイルで水分の蒸発を抑え、甘みを引き出す製法だ。

この商品で押さえておきたいのが、製法の変更が食品ロスの削減につながる構造だ。

同社は、販売時間を従来より延ばし、食品ロスの削減につなげるとしている。

焼きいもは、焼き上げた後にホットケースで保温して売る商材にあたる。時間が経つと水分が飛び、表面が乾いて品質が落ちる。売れ残った分は廃棄になるため、1日に何本焼くかという判断が売場に生じる。

多めに焼けば品切れは防げるが廃棄が増える。少なく焼けば廃棄は減るが売り逃しになる。この均衡を取る作業が、商材の性質として付いてくる。

アルミホイルで包む形は、この条件を変える。水分の蒸発が抑えられれば、保温の時間が長くなっても状態が保たれる。売れる時間が延びれば、同じ本数を焼いても廃棄になる割合が下がる形だ。

焼成に約2時間かかる点も、この構成と関わってくる。

店内調理の商品であっても、短時間で仕上がるものは注文を受けてから作ることができる。揚げ物であれば数分で済むため、客の注文に応じて調理する形が成立する。

2時間かかる商品では、この方法が取れない。客が来てから焼き始めれば、受け取るまでに2時間待つことになる。作り置きが前提になる商材だ。

注文後に作る形が使えない商材で廃棄を減らすには、売れる時間を延ばす方向になる。製法を変えて品質が保たれる時間を伸ばす構成は、この条件に対応したものと読める。

原料の扱いにも工程が入っている。「べにはるか」「シルクスイート」「べにまさり」などの国産さつまいもを使用し、時期・地域によって品種が異なる。収穫後は約1か月寝かせ、甘みと粘りを高めている。

寝かせる工程は、収穫してすぐ焼く形とは別の手間になる。保管の場所と期間が必要だが、甘みが増す。品種を時期と地域で切り替える形は、産地の収穫時期に合わせた調達になる。

複数の品種を使う構成では、焼き上がりの状態も品種によって変わる。同じ商品名で売りながら、時期によって中身が異なる形だ。

展開する店舗数も見ておきたい。約5,600店という規模は、同社の全店に対して約34%にあたる。

専用オーブンを使う商品であるため、設備のある店舗に限られる形になる。店内調理の商材は、什器の設置と場所の確保が前提になる。パッケージされた商品であれば全店で扱えるが、調理する商材では店舗の条件が関わってくる。

焼きいもは秋から冬にかけての需要が高まる商材であるため、設備を置く期間と商品の季節性も関係する。年間を通して稼働しない什器であれば、設置の判断も変わることになる。

販促も用意されている。毎週金曜日、対象の焼きいもが通常価格から20円引きになる。期間は2026年10月23日から2027年5月28日までだ。

20円は298円に対して約6.7%にあたり、値引き後は278円になる。期間は約7か月で、該当する金曜日は32回だ。

曜日を固定した値引きを7か月続ける形は、習慣をつくる構成になる。1回限りの値引きであれば、その日に買った客との接点はそこで終わる。毎週同じ曜日に設定すれば、金曜日に店に寄る理由が繰り返される。

金曜日という設定も、焼きいもの買われ方と関わる可能性がある。週末に向けて買う形であれば、休日の前日に当たる。

期間の長さも、商材の性質に対応している。さつまいもは収穫してから寝かせる工程を経るため、原料の供給には時期がある。同社は原料状況により終了時期が前後する可能性があるとしている。5月末までという設定は、原料が続く期間の見込みと読める。

産地との連携も示されている。同社はJA全農の商品ブランド「ニッポンエール」とさつまいも原料で連携する。産地応援としての位置づけだ。

同社は2026年9月に創立45周年を迎え、新スローガン「いちばんチャレンジ」のもとで「いちばんおいしい」「いちばん地球にやさしい」を目指す取り組みの一環としている。

なお、地域や店舗により価格・発売日・仕様が異なる場合や、取り扱いがない場合がある。

出典:株式会社ファミリーマート プレスリリース