ビートレンド株式会社は、株式会社ダイユーエイトの「ダイユーエイト公式アプリ」のLINEミニアプリ版の構築を支援した。同時に、運用中のスマートフォンアプリ版には株式会社DearOneのリテールメディアプラットフォーム「ARUTANA(アルタナ)」を導入している。
ダイユーエイトは1976年の創立で2026年で50年になり、福島県を主要営業基盤として東北・北関東の8県に約80店舗を展開するホームセンターだ。ホームセンター「ダイユーエイト」のほか、自転車専門店「ワンズサイクル」、オフィス用品の「オフィスエイト」、プロ向け資材の「エイトプロ」、フィットネスの運営まで5つの業態を持つ。
LINEミニアプリ版は、専用アプリをダウンロードせずに店頭の二次元コードをスキャンし、LINE認証を行うだけでデジタル会員証を発行できる形だ。スマートフォンアプリ版とLINEミニアプリ版は同じ会員機能を持ち、1つの会員番号でどちらでも共通利用できる構成になる。
アプリの機能は4つで、会計金額に応じたポイント付与、アプリ会員限定クーポンの一覧表示、新商品やキャンペーンのプッシュ通知、キーワード検索やGPSによる店舗検索(予約も可能)になる。
この導入で押さえておきたいのが、アプリの運用コストを広告収益で相殺する構成だ。小売が自社のアプリを持つ場合、開発の費用に加えて維持と運用の費用が継続して発生する部分がある。サーバーの費用、システムの更新、問い合わせの対応といった工程が生じる形だ。一方でアプリから直接の収益は生じにくい構成になる。ポイントやクーポンは客への還元で費用の側に立つ形で、来店や購買が増える効果はあるがアプリ自体が収益を生む形ではない部分がある。「ARUTANA」を導入する形はこの構造に収益の経路を加える構成で、アプリのトップ画面やポップアップ(モーダルバナー)にメーカーの販促広告を配信し、1インプレッションや1タップに応じた広告収益が生じる形だ。同社はこの収益を自社負担となるアプリの維持・運用コストに充当するとしており、アプリが自らの運用費を稼ぐ構成になる。
広告の価値も示されている。DearOneによると、リテール公式アプリは75%が店舗内で起動されるとされ、店舗外での起動は25%で店舗内が3倍の計算だ。店舗内でアプリを開く客は買い物の最中にある形で、商品を選ぶ段階で広告が表示されればその場の判断に関わる構成になる。一般的な広告では見た客が店に行くまでに時間が空く部分があり、テレビや雑誌の広告であれば見てから買うまでに数日が経つ形だ。店舗内で表示される広告ではこの間隔がない構成で、棚の前でアプリを開いた客にその商品の広告が届く形になる。メーカーの側から見るとこの条件が出稿の判断に関わる部分があり、ARUTANAは複数のリテール公式アプリをアドネットワーク化する形で、ドラッグストア、スーパーマーケット、ホームセンターなどに一斉に配信できる構成だ。
LINEミニアプリを加える意味も見ておきたい。既存のスマートフォンアプリは客がダウンロードして会員登録する形で、アプリストアを開きインストールし登録を済ませる工程が生じる部分だ。店頭でこの手続きを案内する形では時間がかかる構成になり、レジの列が生じている状況では案内そのものが難しい形になる。LINEミニアプリであれば二次元コードのスキャンとLINE認証で完了する構成で、LINEを使っている客であれば新しいアプリのインストールが不要な形だ。同社はこの形で店頭での新規会員獲得を加速させるとしており、LINEミニアプリは月間2,897万人(2026年3月末時点)が利用するプラットフォームとされ、既存の利用者の中から会員が生じる構成になる。
1つの会員番号で両方のアプリを使える点も、運用と関わる部分がある。別の会員基盤になる形であれば同じ客が2つの会員として記録される構成で、ポイントも分かれ購買の履歴も分散する形だ。共通の会員番号であればどちらから登録しても同じ会員として扱われる構成で、LINEミニアプリで登録した客が後にスマートフォンアプリを入れる形でも履歴が続く形になる。
システムの構成も見ておきたい。ビートレンドの「betrend」と東芝テック株式会社の顧客情報システム「CSdelight」を連携させたポイント基盤のもとでアプリが運用され、そこにDearOneの「ARUTANA」が加わる形で、3社のシステムが連携する構成になる。「CSdelight」は顧客マスタやリアルタイムのポイントを一元管理するシステムで、店舗システムと連携して買上実績と顧客属性を組み合わせた抽出や、値引・割引・ポイントのバーコードを印字した販促レシートの発行が可能とされる。特定単品購入時のポイント付与や、特定曜日・特定日のポイント倍率といったプロモーションも実施できる形だ。
ビートレンドは2000年の創業で2026年で26年になり、「betrend」の利用会員数は3,600万人を超えるとされる。本社は東京都品川区、代表取締役社長は井上英昭氏で、東証グロース市場に上場している(証券コード4020)。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS、ISO27001)認証とプライバシーマークを取得している。ダイユーエイトの本社は福島県福島市、代表取締役社長は栁沼忠広氏だ。