インターナショナルスーパーマーケット「ナショナル麻布」を運営するナショナル麻布株式会社は、本店で「SPAIN FAIR」を2026年9月11日から9月27日まで開催する。期間中は館内の催事スペースで、全6ブランドが日替わりで試食と試飲付きの店頭催事を行う。

売場づくりの観点で押さえておきたいのが、この日替わりという運用だ。17日間の会期を、出展する6社で分け合う形になっている。

出展の順番と日程を追うと、こうなる。9月11日と12日はスペインの食材を扱う輸入商社、12日と13日はオリーブオイルのメーカー、14日から18日までは伝統食材を扱う事業者、23日から25日は缶入りスパークリングワインのブランド、26日と27日はワイン専門商社、そして最終日の27日にはパエリア専門店が入る。

この組み方には利点がいくつかある。まず、スーパーマーケットの限られた催事スペースを、常に稼働させられる。1社が長期間使うより、複数社で回した方が売場の見え方も変わり、何度も来店する顧客に新しさを提供できる。出展する側にとっても、数日単位であれば人員を出しやすい。

商材の組み合わせも、テーマに沿って整理されている。パエリア用のだしや米といった調理素材、オリーブオイル、チーズやオリーブの実、ムール貝、そしてワインとスパークリングワイン、最後に調理済みの冷凍パエリアという並びだ。素材から完成品まで、同じ食文化の中で段階の異なる商品が揃う。

最終日に冷凍パエリアを持ってくる構成も理にかなっている。フェアを通じてスペイン料理への関心が高まったところに、解凍してフライパンで10分加熱するだけで食べられる商品を置く。素材を買って自分で作るのは難しいと感じた層の受け皿になる。

スーパーマーケットで試食を伴う催事を実施する場合、メーカーや商社から人が来ることが前提になる。店舗側は場所と集客を提供し、出展側は商品知識を持つ人を配置する。この分担であれば、店舗のスタッフを新たに割く必要がない。

同社の店舗特性も、このフェアと相性がよい。大使館関係者や外国人ビジネスパーソンをはじめとする多様な顧客に向けて、世界各国の食品や雑貨を揃えている店だ。海外の食文化に親しみのある人には懐かしさを、日本の顧客には異国を訪れたような体験を届ける場として運営されている。特定の国をテーマにしたフェアは、その位置づけをそのまま強める企画になる。

国別のフェアという形式は、他のスーパーマーケットでも応用できる。輸入食品を扱う商社や、その国の料理を出す飲食店に声をかければ、出展者は集められる。テーマが明確なため、売場の装飾や告知も作りやすい。

なお出展社と商品は予告なく変更になる場合がある。公表されている日程を見ると、9月19日から22日までは出展社の記載がないため、その期間の催事の有無は店舗への確認が必要になりそうだ。