株式会社kiwamiは2026年9月22日、東武百貨店池袋店で運用しているアバター接客システム「xR Cast」が、リアルタイム翻訳を使った多言語での遠隔有人接客に対応したと発表した。同店では、英語と中国語(簡体字)による案内に活用する。

東武百貨店池袋店は、2023年から「xR Cast」を使った案内サービスを導入している。案内端末には、同店のオリジナルアバター「あんなちゃん」を表示。来店客が自分で情報を検索する機能と、遠隔スタッフによる案内を組み合わせて運用してきた。

ショップ検索やフロア案内など、問い合わせの多い内容は端末のトップ画面から検索できる。より詳しい説明が必要な場合には遠隔スタッフにつなぎ、個別に案内する仕組みとなっている。検索やフロア案内では、従来から日本語に加えて英語と中国語(簡体字)への対応を進めていた。

今回の機能追加により、遠隔スタッフが応対する場面でも翻訳を利用できるようになった。来店客とスタッフそれぞれの発話内容を相手の言語へ翻訳し、画面上に表示する。異なる言語を話す双方が、表示された内容を確認しながら会話する形で接客を支援する。

kiwamiによると、翻訳機能自体の対応言語数は約200言語。そのうち、今回の東武百貨店池袋店での有人接客では、英語と中国語(簡体字)に対応する。

「あんなちゃん」は館内の案内端末に加え、来店客自身のスマートフォンから利用できるAIチャットにも使われている。同店では端末の画面デザインや操作の流れも継続的に見直しており、kiwamiは、新デザインへの変更後に利用件数が前年同期を上回ったと説明している。今回、外国語による問い合わせでも遠隔スタッフへつなげるようにし、有人案内の対応範囲を広げた。

「xR Cast」は、3Dアバターによる自動案内と遠隔スタッフの接客を組み合わせたシステムだ。簡単な問い合わせには自動で回答し、個別の説明が必要な場合は遠隔スタッフが応対する。手作業を伴うなど、その場での対応が必要な業務は現地スタッフが担う構成としている。

案内端末は移動できるため、エントランスや各フロア、エスカレーター付近などに設置できる。導入後は利用記録を分析し、画面や案内への誘導方法を改善する。また、365日稼働するサポートセンターが、運用や障害発生時の復旧を支援する。

kiwamiは、百貨店や商業施設、小売店、ホテル、観光施設などに向けて同システムを提供している。システム開発に加え、アバターのデザインや3Dモデルの制作、機器構成の支援なども自社で手がける。公式サイトでは、導入前に機材や利用環境を含めたテストを行い、実施規模や検証目的に応じた試験導入にも対応すると案内している。