株式会社丸善ジュンク堂書店は、「丸善ジュンク堂に住んでみる」ツアー2026を2026年11月21日22時から11月22日8時30分まで開催する。会場はジュンク堂書店 三宮店(兵庫県神戸市)で、募集は5組10名だ。応募者が多い場合は抽選となる。
参加者は閉店後の書店に1泊し、本を読むなど自由に過ごす。参加条件は18歳以上で読書が好きな人としている。参加費は無料だが、1人あたり最低3冊の書籍または雑誌の購入が必要だ。
この企画で押さえておきたいのが、参加費と購入条件の組み立てだ。参加費を取らない代わりに商品の購入を条件に置く形は、徴収する金額をそのまま売上に変える設計にあたる。参加費として受け取れば雑収入になるが、書籍の購入であれば本来の商品が動く。参加者から見ても、支払った分が自分の手元に残る本になるため、費用の感じ方が変わる。
一方で、規模から見ると売上そのものが狙いではないことも分かる。10名が3冊ずつ買っても30冊で、1冊あたりの単価を考えれば金額は限られる。5組10名という人数は、話題を作る企画としての位置づけを示している。
会場に三宮店を選んだ理由として挙げられているのが、2026年がジュンク堂書店の創業50周年にあたる点だ。三宮は創業の地にあたる。同社は「ジュンク堂書店50周年」の記念企画を進めており、特設ページも設けている。
企画の起点についても説明がある。2010年頃にX(旧Twitter)で見た「ジュンク堂に住みたい」という投稿がきっかけだという。顧客が漏らした願望をそのまま企画名にする形で、受け手にとって何をする催しなのかが伝わりやすい。
営業時間外の店舗を使う点も、店舗運営の観点では見ておきたい。22時から翌朝8時30分までという時間帯は、通常は閉店している。棚も照明も座る場所も既にある空間を、別の用途に使う構成になる。新たに会場を借りる必要がないため、かかる費用は人員の配置と運営の手間に限られる。
商品を扱う店舗を開放する際の制限も具体的に示されている。ビニールがけされたコミックや写真集、雑誌は読めない。飲食は指定エリアのみで可能で、酒類の持ち込みは不可だ。
この線引きは、売り場を体験の場として開く場合の実務にそのまま関わる。ビニールがけの商品を開けば売れなくなるため、対象から外す必要がある。飲食の範囲を限るのも、商品に汚れや匂いが付くことを避ける措置だ。酒類を禁じている点は、18歳以上という条件と、夜間に店内で過ごす企画であることの両方から読める。
当日の進行は時間ごとに決まっている。21時45分に集合し、22時からオリエンテーション、22時45分から自由時間となる。翌朝は7時30分からアンケートの記入、書籍の購入、片付けを行い、8時30分までに解散する。
購入の時間を翌朝に置いている点も構成として理にかなっている。一晩かけて棚を見てから買う本を決められるため、来店してすぐ選ぶより納得して選べる。アンケートの記入と同じ時間帯にまとめることで、運営側も最後の30分から1時間で手続きを済ませられる。
応募の受付は2026年10月9日13時から10月22日12時までで、企業サイトの募集ページから申し込む。抽選結果についての個別の問い合わせ、三宮店への直接の問い合わせは受け付けていない。
丸善ジュンク堂書店は本社を東京都中央区に置き、2010年8月設立、資本金5,000万円の企業だ。