コープデリ生活協同組合連合会は、生活協同組合コープみらいの取り組みとして「2026年度 コープみらい第2回ブロック委員全体会 JA全農講演会」を2026年10月8日にベルサール秋葉原(東京都千代田区)で実施した。講演のテーマは「食べて未来へつなぐ日本の米づくり」だ。
登壇したのはJA全農 米穀部の上田大介次長と三谷洋美総合課長で、講演は11時20分から12時20分まで、その後13時から14時15分までグループ交流を行った。参加者はブロック委員271名を含む総勢358名で、組合員理事と役職員も含まれる。
この取り組みで押さえておきたいのが、「ワン・モア・ライス」というキャンペーンの設計だ。1週間に今より1杯多く米を食べることを呼びかけるコープデリグループの取り組みで、行動の単位を具体的な数に落としている。
消費の拡大を呼びかける際、「米を食べましょう」という形では、受け取る側が何をすればよいか分かりにくい。1週間に1杯という単位であれば、自分の食事のなかでどう増やすかを考えられる。1日ではなく1週間を単位にしている点も、毎食の献立を変える必要がない範囲に収めている。
対象の広さも特徴にあたる。炊いたご飯だけでなく、チャーハンなどの冷凍食品やパックご飯も活用できるとしている。
この線引きは、売場との関係で意味を持つ。米を炊くことを前提にすれば、消費の拡大は精米の売場の話に限られる。冷凍食品やパックご飯を含めれば、冷凍ケースや常温の加工食品の棚も対象になる。米を炊く手間を理由に食べない層に対しては、炊かずに済む商品の方が現実的な選択肢だ。実際の消費量を増やすという目的から見れば、どの形で食べるかを問わない構成になる。
組合員の規模も見ておきたい。コープみらいの組合員数は2026年9月20日現在で391万人だ。全員が1週間に1杯増やした場合、単純計算で年間に約2億杯分の増加にあたる。実際に何人が実行するかは別の話だが、呼びかける母数としては大きい。
伝達の構造も特徴的だ。コープみらいには22ブロックで約290名のブロック委員がいる。今回の講演会にはそのうち271名が参加しており、約93%にあたる。ブロック委員1人あたりが関わる組合員は単純計算で約1万3,500人となる。
委員を集めて講演を聞かせ、そこから各ブロックへ広げる形は、組織を介した伝え方にあたる。391万人に直接伝える手段を取るより、代表者に内容を理解させてから広げる方が、背景まで含めて伝わる余地が生まれる。午後のグループ交流で参加者が感想や今後の行動を話し合う時間を設けている点も、聞いて終わりにしない構成だ。
講演の内容についても触れられている。上田氏は、米の需要が増えることが農家の意欲につながり、食料自給率を守る力になると述べた。三谷氏は、JA全農の「ご当地おにぎりグランプリ」や「地味弁」といった取り組みがコープみらいの目的と重なるとして、共同での発信や企画に意欲を示した。
生産者団体と小売が同じ目的で動く形は、米という商材の性質と関わってくる。消費量が減れば生産量も減り、産地の維持にも影響する。売る側が消費の拡大に動けば、仕入れる先の継続にもつながる構造だ。
2026年度は「#わたしの推し丼」として、丼の写真をInstagramや専用フォームで投稿する企画も展開している。グループ交流では参加者おすすめの丼「推し丼」も披露された。
投稿型の企画は、米の食べ方を参加者自身に示させる組み立てになる。1杯多く食べるという呼びかけに対して、どう食べるかの例が集まれば、具体的な方法として広がる余地が出てくる。
コープみらいは本部を埼玉県さいたま市に置き、事業エリアは千葉県、埼玉県、東京都だ。総事業高は2025年度で4,379億円となる。