株式会社マーチャンダイジング・オンは、ビール、発泡酒、新ジャンル、RTDの販売動向を確認できるWebサイトを公開した。市場POSデータサービス「RDS-POS」の全国スーパーのデータを使ったものだ。
2026年10月1日の酒税改正の直後、カテゴリーごとに販売数量の動きが異なっていたことを受け、その変化が続いているかを確認する目的で公開している。
同社が以前に出した速報では、酒税改正から3日間でビールの販売数量が19.5%増、新ジャンルが35.1%減という数字が示されていた。カテゴリーをまたいで販売が動いた形になる。
このサイトで押さえておきたいのが、確認できる項目の構成だ。カテゴリー別の日別販売数量と前年同曜日比、主要商品の販売数量、4カテゴリーの数量構成比の推移が見られる。
日別で追える形は、制度の変更が販売に与える影響を見る際に意味を持つ。月次の集計では、変更の前後がひとつの数字にまとまってしまう。日別であれば、10月1日を境にどう動いたかが分かる。改正から数日で出た数字がその後も続くのか、あるいは一時的な動きだったのかも確認できる。
前年比較に同曜日を使っている点も、この商材の性質と関わってくる。酒類は曜日によって売れ方が変わる商材だ。週末に向けて買う動きがあるため、単純に前年の同じ日付と比べれば曜日のずれが数字に入る。曜日を合わせれば、その影響を除いた比較になる。
4カテゴリーの数量構成比の推移を見られる点も、売場の判断に関わる。ビールが増えて新ジャンルが減るという動きがあれば、棚の面積の配分も見直す対象になる。構成比で示されれば、どのカテゴリーがどれだけの割合を占めるかが分かる。
同社は注意書きとして、販売実績には複数の要因が影響するため、酒税改正との因果関係を示すものではないとしている。
この但し書きは、データを読む際の前提にあたる。販売数量は気温や天候、販促の有無、在庫の状況によっても動く。改正の直後に数字が変わったとしても、その全てが税率の変更によるものとは限らない。数字の動きと原因を分けて扱う必要がある。
一方で、カテゴリー間で逆方向の動きが出ている点は、売場の実務としては確認しておきたい材料になる。ビールが増え、新ジャンルが減るという組み合わせは、同じ客が選ぶ商品を変えた可能性を含んでいる。発注の数量や棚の構成を判断する際、自店の数字と全国の傾向を並べて見られれば、自店固有の動きなのかどうかも分かる。
全国スーパーのPOSデータを使っている点も、比較の対象として読める。コンビニや酒販店とは客層や購入の単位が異なるため、業態による違いは残る。それでも、スーパーで酒類を扱う側にとっては近い条件のデータになる。
酒税改正はビール系飲料の税率を段階的に見直すもので、カテゴリーによって税率が上がる方向と下がる方向に分かれている。価格差が縮まれば、これまで価格を理由に選ばれていた商品の位置づけも変わってくる。改正直後の数字は、その変化がどの程度の規模で起きるかを示す材料になる。