株式会社阪急阪神百貨店は、ファッションコンサルティングサービスの新メニュー「似合うが見つかる簡易診断+スタイリングサービス」を2026年10月1日に開始した。実施するのは阪急うめだ本店7階と阪神梅田本店5階で、各館にスタイリングスタッフが5名在籍している。
このサービスで押さえておきたいのが、メニューごとの価格と所要時間の関係だ。
新メニューの「似合うが見つかる簡易診断+スタイリングサービス」は8,800円で約150分(診断30分、スタイリング120分)となる。カラー診断と骨格3タイプ診断をもとに提案する内容だ。
「スタイリングサービス」は3,300円で約120分、ショップを回りながら提案する。「パーソナルカラー&骨格タイプ診断」は11,000円で約70分、資格を持つスタッフが診断する。
1分あたりに換算すると差が出る。スタイリングサービスは3,300円を120分で割って約27.5円、診断は11,000円を70分で割って約157円だ。診断はスタイリングの約5.7倍の時間単価になる。新メニューは8,800円を150分で割って約59円で、両者の間に収まる。
この差は、提供する内容の性質と関わってくる。診断は資格を持つスタッフが行うもので、色や骨格の判定という専門の判断にあたる。一方、スタイリングは経験を踏まえた提案で、ショップを回りながら商品を見る時間を含む。短い時間に専門の判断が集中する形と、時間をかけて商品を見る形では、単価の立て方が変わる構成だ。
新メニューの価格設定も見ておきたい。診断とスタイリングを単独で受ける場合、11,000円と3,300円で合計14,300円になる。新メニューは診断を30分の簡易版にすることで8,800円に収まる形だ。所要時間も190分から150分に短くなる。
診断の時間を短縮して組み合わせる構成は、両方を受けたい客への選択肢になる。診断だけを受けても、その結果をどう服選びに使うかは別の作業になる。スタイリングだけを受ければ、判定の根拠は経験によるものになる。簡易版の診断を前に付ける形であれば、判定を踏まえた提案が1回で済む。
館による運営の違いも特徴にあたる。阪急うめだ本店では、事前の要望アンケートに応じて各階のアイテムを用意し、専用ルームでまとめて試着できる。阪神梅田本店では、テーマ別のスタイリング提案(TPO別、大人カジュアル、小柄な方向けなど)を展開している。
専用ルームでまとめて試着する形は、売場を回る手間に関わる部分だ。通常は各ショップで試着することになるため、階を移動しながら服を着替える動きが生じる。1か所に商品を集めれば、移動の時間がなくなる。事前のアンケートで要望を聞いておけば、来店した時点で商品が揃っている構成になる。
一方、阪神梅田本店のテーマ別という形は、客の状況から入る組み立てになる。TPO別であれば場面から、小柄な方向けであれば体型から絞れる。同じ会社の2館で方法を分ける構成は、それぞれの館の客層や売場の構成に応じた判断と読める。
ブランドを横断して提案する点は、百貨店という業態の性質と結びついている。同社は、診断結果をもとにブランドの垣根を超えたスタイリングを提案するとしている。
単独のブランドショップであれば、提案できる商品はそのブランドの中に限られる。複数のブランドが入る館であれば、上下を別のブランドで組み合わせる提案もできる。この条件は、専門店にはない部分にあたる。
着こなしだけでなく、場のしきたりやマナーも助言するとしている。冠婚葬祭のような場面では、服の選び方に加えて場面ごとの決まりが関わってくる。商品の説明とは別の知識が必要な領域だ。
接客を有料のサービスとして売る形は、売場の人員の扱いに関わってくる。通常の接客は商品の販売に付随するもので、料金は発生しない。時間を区切って料金を取る構成であれば、その時間はその客に充てられる。5名という人数で回す体制であれば、受け入れられる件数も限られる形だ。