株式会社巴商事は、ドイツの老舗メーカー、ルードヴィッヒ・ショコラーデ社の板チョコレート「チョコファン(Choco-Fun)」を取り扱う。製造はポーランドの工場で、内容量は80g、希望小売価格は390円(税抜)だ。
フレーバーはミルク、ダーク、ヘーゼルナッツ、クッキー&クリーム、ストロベリーの5種となる。賞味期間は12か月で、ダークのみ15か月だ。全品がレインフォレスト・アライアンス認証を取得している。
価格を換算すると、80gで390円のため100gあたり約488円になる。
この商品で押さえておきたいのが、コストを下げる場所の置き方だ。
同社は背景として、円安、海上輸送の長距離化、原材料・エネルギー・人件費の高騰により輸入チョコレートの値上げが続いていると説明している。そのうえで、低価格帯では植物油脂で代替する「準チョコ化」が進んでいるとし、本物のチョコレートの体験を守ることを目的に本商品を位置づけている。
チョコレートと準チョコレートは、カカオ分や油脂の構成によって区分が分かれる。植物油脂で代替すれば原価は下がる一方、表示上の区分も変わる。売場では両方が並ぶため、価格だけを見れば準チョコレートの方が安く見える構成になる。
今回の商品では、コスト削減の方法として4点を挙げている。工程の共通化、自動化による人件費の抑制、簡易包装化、板チョコ形状による加工費の削減だ。
これらはいずれも中身以外の部分にあたる。工程の共通化は複数のフレーバーを同じラインで作る形、自動化は製造にかかる人手の削減になる。簡易包装は箱や個包装の仕様を抑えること、板チョコ形状は型に流して固める形で、粒状や成形品より加工の工程が少ない。
中身を変えずに価格を抑える構成と、中身を置き換えて価格を抑える構成は、同じ価格帯でも性質が分かれる。前者は包装や製造の工程で削り、後者は原材料の構成で削る形になる。売場に並べる側から見れば、どちらの方法で価格が決まっているかは商品の表示で確認できる部分だ。
フレーバーを5種に絞っている点も、工程の共通化と関わってくる。種類を増やせば客の選択肢は広がるが、製造の切り替えも増える。板チョコという形状で5種を揃える構成であれば、型や包装の仕様を共通にできる。
市場の状況についても言及がある。同社は、国内チョコレート市場は金額では拡大しているが、重量ベースでは減少傾向にあると説明している。
金額が増えて重量が減る形は、単価が上がったか、1点あたりの内容量が減ったかのいずれかを含む。値上げが続く局面では、価格を上げるか内容量を減らすかの判断が商品ごとに行われる。市場全体の数字として金額と重量が逆方向に動く状態は、その積み重ねを示すものになる。
同社は記者向けの提言として、値上げ報道ではメーカーの価格転嫁を抑える努力が取り上げられにくいと指摘している。あわせて、国産品の中には中身を減らしてパッケージを変えない商品もあるとして批判的に述べている。
認証の取得についても示されている。レインフォレスト・アライアンス認証は、カカオの生産に関する基準を満たしたものに与えられる認証だ。5種すべてが取得しているため、シリーズとして統一された条件になる。
賞味期間を12か月(ダークは15か月)としている点も、売場での扱いに関わる部分だ。賞味期間が長い商品であれば、回転の遅い店舗でも置きやすい。ダークだけ期間が長いのは、使用する原料の構成によるものと読める。
担当者はコメントのなかで、値上げが続く中でも消費者が本物のチョコレートを手頃に楽しめる選択肢を残したいという思いから導入を決めたと述べている。
巴商事は東京都世田谷区に本社を置き、代表は山田雄史氏だ。