株式会社阪急阪神百貨店は、阪急メンズ東京の開業15周年を記念した「15th ANNIVERSARY FAIR」を2026年10月14日から11月17日まで実施している。会期は35日間で、会場は同館の各階となる。場所によって会期は異なる。
この企画で押さえておきたいのが、購入を2段階でつなぐ販促の設計だ。「ANNIVERSARY PASSPORT EVENT」では、アウターを購入した客に「アニバーサリーパスポートカード」を進呈する。そのうえでコーディネート商品を1点購入すると抽選会に参加でき、景品が当たる形だ。
アウターを起点に置く構成は、秋冬のメンズ商材の単価と関わってくる。アウターはこの時期に単価が高くなる品目で、1点の購入額も大きい。その客にカードを渡し、さらに1点を足す動機を作れば、「アウター+1点」という買い方が生まれる。インナーやパンツ、小物といった商品を組み合わせる形は、コーディネートを前提に売る館の性格とも噛み合う。
ポイントのキャンペーンも実施している。阪急阪神百貨店アプリまたはSマーク付きポイントカードの提示で、通常の3%に加えてボーナスポイント2%が付く。合計で5%となるが、対象店舗のみとなる。
35日間という長い会期に対して、小規模な催事を配置する構成も見ておきたい。
「SHOES FAIR 2026AW」は5階シューズフロアで10月14日から27日まで開催する。「G.H.BASS」の限定ラインや「Trading Post RUGGED STORE」のポップアップを展開する。一方、「SUBLATIONS ポップアップストア」は1階メインベースで11月11日から17日までだ。税込10万円以上の購入者に先着でオリジナルベルトをノベルティとして進呈する。
前半と後半に催事を置き、間を空ける配分になる。10月28日から11月10日までの約2週間は、これらの催事の間にあたる。この期間には別の動きがあり、EGDEのボクサーとビキニが10月28日に発売される。シューズフェアの終了翌日にあたる日付だ。催事の切れ目に商品の発売を置く形で、会期を通した話題を維持する構成になる。
このほか「MINI Paul Smith Edition」のガソリンモデルを1階メインベースで展示する。10月24日と25日には有楽町マリオン1階コンコースでも特別展示を行う。地下1階のレストランでは限定のコラボドリンクを提供する。
15周年限定アイテムは阪急メンズ東京限定として複数展開する。価格の幅は広い。最も低いのがEGDEのビキニで3,080円、ボクサーが3,300円だ。AQUXのスイムウェアが7,700円、NEATのキャップが7,700円、Libertaのパフュームが18,700円となる。
中間の価格帯では、REPLAYの数量限定デニムが37,400円、ETiAMのバッグが42,900円、MUHLEの特別セットCが55,000円だ。高額帯では、THE WARMTHCRAFTS MANUFACTUREのバッグが93,500円、Crockett&Jonesの革靴「Clyde4」が203,500円、JOHN LOBBの革靴「復刻CITY」が257,400円、THEFTのネックレスが286,000円となる。Bcerinの15周年スペシャルメニューは3,200円だ。
最低の3,080円から最高の286,000円まで、約93倍の幅がある。周年の限定アイテムをこの幅で用意する形は、来館する客層の広さに対応した構成になる。記念として手に取れる価格の商品と、周年を機に検討する高額品の両方を置ける。革靴2品が20万円を超える価格帯で並んでいる点も、メンズ館の商材構成を示している。
7階のPOP-UP SPACEでは、10月14日から「TOMEI BOOKSTORE by freee」としてポップアップストアを開いている。東京・蔵前の「透明書店」(2023年開業)の2号店にあたり、ZINEや小規模出版社の書籍を扱う。freeeユーザーの事業者と一緒に店舗を作る試みで、空間デザインは溝端友輔氏(VOID株式会社)が担当した。
会計ソフトの事業者が書店を運営し、それが百貨店のメンズ館に入る形は、通常のテナント構成とは異なる。自社のユーザーである小規模事業者と組んで店を作る取り組みのため、商品を売ること以外の目的も含まれる。館の側から見れば、衣料や靴とは別の滞在の理由を作る区画になる。
同社は10月14日から15周年特設ページの第3弾を公開しており、今夏から秋にかけての新店舗・リニューアル情報も掲載している。11月以降も新店舗のオープンを予定しているとしている。