株式会社ハンズは、ハンズ渋谷店の営業を2026年11月15日に終了する。1978年9月9日の開業から48年にわたって営業してきた店舗だ。あわせて「48年間、ありがとうセール」を2026年10月16日から11月15日まで実施している。営業時間は10時から21時までで、最終日は変更の可能性がある。
この企画で押さえておきたいのが、クーポンの設計だ。渋谷店で買い物した客に5%OFFクーポンを配布しており、利用期間は9月1日から12月31日まで、関東のハンズとハンズ ビー各店で使える。税込1,000円以上の1回の購入が対象で、レシートの合算はできない。一部商品は除外され、他の割引との併用もできない。
閉店する店で配ったクーポンを他店で使える形にする構成は、客を手放さないための仕組みにあたる。渋谷店が11月15日に閉まった後も、クーポンの利用期間は12月31日まで続く。閉店後の約1か月半、その客が別の店に行く理由が残る形だ。
クーポンの利用期間が9月1日に始まっている点も見ておきたい。セールの開始は10月16日のため、クーポンの配布はそれより前から進んでいたことになる。閉店に向けた動きを段階的に進める構成だ。
渋谷駅周辺については、駅直結の「ハンズ渋谷スクランブルスクエア店」が引き続き営業する。キャッチコピーに「48年間、ありがとう。そして、これからも。」を掲げており、同じエリアに店舗が残ることを示している。
一部のサービスは新宿店へ移る。画材・デザイン用品と「アクセサリー工房 飾りや」などが対象だ。時期は未定で、決まり次第新宿店のサイトで告知するとしている。
専門性の高いサービスを別の店に移す形は、閉店の扱いとして読める。一般的な商品であれば他店でも扱いがあるが、画材や工房のような売場は、どの店にもあるとは限らない。移管先を示せば、そのサービスを使っていた客に行き先を伝えられる。
館内の演出も用意している。「HANDS」の文字を「THANKS」に置き換えた限定ロゴを装飾などに展開する形だ。旧ロゴの「手」のマークも共存させている。
ブランド名の文字を一部変えるだけで別の意味を持たせる構成は、ロゴを保ちながら感謝を示す形になる。全く別のデザインを作れば、どの店の企画か分かりにくくなる。文字の置き換えであれば、見た目の連続性を保てる。
メインポスターの「ありがとう」は、スタッフや渋谷の作り手が手作業で制作したとしている。入口などには「ありがとう」を48個綴ったメッセージを掲出する。掲出期間は10月16日から11月15日までだ。
48という数字を企画に繰り返し使う構成も、営業年数と結びついている。セールの名称、メッセージの個数、キャッチコピーのいずれにも48が入る形だ。
記念の商品も販売する。価格は税込で、ロゲットカードが220円、キャンパストートプチが500円、絵地図キーホルダーが680円、タオルハンカチが各880円、刺しゅうミニトートが各1,480円となる。いずれもなくなり次第終了だ。
220円から1,480円という価格帯は、記念として手に取りやすい範囲に収まっている。店舗の外観やロゴをモチーフにした商品のため、閉店の時期にしか意味を持たない商材でもある。
渋谷店限定のショッパーも10月16日から配布する。1枚25円で、ショッパーのみの購入はできない。商品の購入が条件となる形だ。
店舗の規模についても示されている。売場面積は5,494.20㎡で、約10万SKUを扱っていた。24フロアを408段の階段で結ぶ構造が特徴だ。
24フロアで5,494.20㎡という数字は、1フロア平均で約229㎡にあたる。小さいフロアが積み上がる構造で、階段でつなぐ形になる。約10万SKUを売場面積で割ると1㎡あたり約18SKUとなり、商品の密度が高い売場だったことが分かる。
店長はコメントのなかで、残りわずかの営業期間も笑顔で営業する旨を述べている。
同社の総店舗数は2026年10月14日時点で101店舗だ。