世界最大のホームセンターチェーン、米ホーム・デポ(The Home Depot)は、少額の定額料金でサブスクリプションや会員登録なしに利用できる新配送サービス「エクスプレス・デリバリー(Express Delivery)」を、米国の全市場で展開すると発表した。同社のサプライチェーン網と、全米2000店舗超を「近隣フルフィルメント拠点」として活用し、配管・電気・金物・塗料・工具といったプロ向け資材から日常的なDIY用品まで、数千点のSKUを最短3時間で自宅や現場に届ける仕組みで、住宅リフォーム業界で最速の配送体制としての地位をさらに強化するものだと位置づけている。プロの建設プロジェクト向けの資材を含め、今すぐ必要な商品をすぐに受け取れるようになるとしており、対象商品かどうかは、商品ページやチェックアウト時のカート画面で確認できるという。
インターコネクテッド・リテール担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのジョーダン・ブロッジ氏は、「顧客は、必要な時に必要な場所で商品が手に入ることを期待しており、エクスプレス・デリバリーは、迅速で信頼できる方法でその期待に応える」とコメント。「庭仕事を仕上げるためにあと1袋の肥料が必要なDIY愛好家でも、時間の限られた現場で接着剤やコーキング材が不足したプロの職人でも、エクスプレス・デリバリーによって、必要な資材を必要なときに、これまでになく簡単に手に入れられるようになる」と述べた。同社は今後数カ月でさらに配送速度を高めていく方針だという。
今回の発表では、エクスプレス・デリバリーに加え、同社がDIY顧客・プロ顧客の双方に利便性・価値・選択肢をもたらすために展開している既存の配送サービスについても改めて説明されている。具体的には、午後4時までの注文で25ドル以上であれば無料で即日配送されるサービス、照明器具や洗面台、内装用品、建材などを幅広く扱う配送センター網(店舗網と連携し、在庫のある小型商品の65%超を即日・翌日で、大型・重量商品の約55%を2日以内に配送)、そして冷蔵庫や洗濯機・乾燥機といった主要な家電製品を米国人口の60%をカバーする範囲で翌日配送する仕組みなどが紹介されている。同社は今後も、緊急の家電交換や時間に追われる修理案件に迅速に対応できる体制の拡充を進めるとしている。
ホーム・デポは2026会計年度第2四半期末時点で、米国50州とワシントンD.C.、プエルトリコ、米領バージン諸島、グアム、カナダ10州、メキシコにわたり、直営店舗2364店と建設資材大手SRSの拠点1340カ所以上を展開しており、従業員数は47万人を超える。同社株式はニューヨーク証券取引所(NYSE:HD)に上場し、ダウ工業株30種平均およびS&P500指数の構成銘柄となっている。
今回の発表は、8月27日に発表されたAI店内アシスタント「マジック・エプロン」の店舗展開に先立つもので、いずれも同社が掲げる「インターコネクテッド・リテール」戦略の一環として、デジタルと実店舗・物流網を組み合わせた顧客体験の強化を進めていることを示している。ホーム・デポは近年、店舗網とオンライン・物流機能を一体的に運用することで、DIY顧客だけでなく、納期が事業の成否を左右するプロ顧客のニーズにも応える体制づくりを進めており、今回のエクスプレス・デリバリーの全米展開も、その取り組みを象徴する施策の一つといえる。同社は詳細情報を自社の企業サイトで案内するとしている。
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