サービス業向けの店舗マネジメントツール「はたLuckアプリ」を提供する株式会社HataLuck and Personは、株式会社ダンダダンが運営する「肉汁餃子のダンダダン」の直営全97店舗で同アプリが本導入されたと2026年8月18日に発表した。アナログなシフト管理と労務管理が店長やエリアマネジャーの負担を高めていた状況を改善し、シフト管理業務にかかる時間を約50%削減したという。

導入前の課題は、多くの飲食チェーンに心当たりのある内容だ。店長が口頭やチャットツールなど複数の経路から提出されるシフト希望を手作業で整理し、転記・入力してシフトを作成していた。複雑でアナログな管理方法は業務負荷が高いうえ、人的ミスによる人員不足の発生リスクを高める要因にもなっていた。結果として、店長が本来のマネジメント業務に割く時間を確保できないという状態が続いていたという。

この課題に対し、同社はアプリのシフト機能を使い、シフト管理業務のフローを全店舗で標準化した。複数のツールから回収して作成していたシフトを1つのアプリに一元化したことで、回収漏れや入力ミス、転記漏れがなくなり、シフト作成業務にかかる時間は4時間から2時間へと約50%短縮された。

この削減幅を直営97店舗の総労働時間に置き換えると、年間で2,328時間、月間では194時間の削減にあたる。シフト作成者の時給を2,500円と仮定した場合、人件費では年間約1,136万円の換算になるという。1店舗あたりで見れば月2時間程度の話だが、店舗数を掛け合わせると経営インパクトのある数字になることが分かる。

もう1つの成果として挙げられているのが、労務管理の強化だ。従業員の多様化が進むなか、労働基準法で定められた1日8時間、週40時間という条件に加え、在留資格が学生などの外国籍従業員には週28時間以内という制限がある。こうした複数の基準を人ごとに管理する負荷が高まっていた。

はたLuckアプリには、従業員の属性に合わせて「週40時間超過」や「週28時間制限」のアラートを表示する労務アラート機能が備わっている。店長やエリアマネジャーはシフト作成の段階で管理画面上からアラートを確認でき、全店舗でリアルタイムな労務管理が可能になった。目視での管理漏れや、超過が起きた後に気づく事後検知を減らせたとしている。

この点は、外食に限らず小売や商業施設でも参考になる部分だ。留学生や外国籍のスタッフを戦力としている店舗は増えているが、週28時間という制限は個人ごとに追う必要があり、複数店舗で働いている場合はさらに管理が難しくなる。シフトを組む段階でシステム側が警告を出す仕組みは、法令違反のリスクを構造的に下げる。

導入の背景には、NATTY SWANKYホールディングスが進めてきた人的資本経営の取り組みがある。同社はアルバイトからの正社員登用制度、店長輩出プログラム、優秀な店長や従業員を表彰する社内アワードなどを通じて、働きがいのある職場環境づくりに注力してきた。そのうえで理念実践型の店舗運営を進めるため、生産性向上と店舗マネジメント力の強化に着目し、2025年から全97店舗への順次導入を開始していた。

今後は、働きがいのある職場づくりの一環として、アプリのサーベイ機能を通じた従業員のエンゲージメント向上に取り組む予定だという。

はたLuckアプリは、シフト、コミュニケーション、マニュアル、サーベイの各機能をオールインワンで搭載した業務専用アプリだ。店舗で働くアルバイトやパートスタッフ、店長がスマートフォンから利用でき、2019年の提供開始以来、外食やホテル、小売、アミューズメントなど幅広いサービス業の店舗に導入されている。2026年5月時点でユーザー数は30万人、導入店舗数は2万店を超える。

なお、成果として示された数字はシフト作成にかかる時間の短縮が中心で、人員配置の最適化や売上への影響には触れられていない。導入を検討する際は、自社のシフト作成に現状どれだけ時間がかかっているかを先に把握しておくと、効果の見積もりがしやすくなる。作成時間が4時間から2時間になったという前提は、裏を返せば元々それだけの時間を要していたということでもある。

店舗運営の現場では、シフト作成が属人的な作業のまま残っているケースが少なくない。今回の事例が示しているのは、その作業時間を半分にできれば、店舗数に比例して確実に効いてくるということだ。97店舗で年間1,000万円を超える換算になる以上、規模の大きいチェーンほど検討の価値は高いといえる。