株式会社ファミリーマートは、静岡県の老舗弁当店「天神屋」監修による3商品を、2026年9月15日より中部・東海地方を中心とした約2,850店で発売する。静岡県、愛知県、岐阜県のほか、三重県、和歌山県、神奈川県の一部店舗が対象となる。

商品は、「大きなおむすび 元祖たぬきむすび」が264円、税込285円、「たぬきごはん弁当」が602円、税込650円、そして「甘しょうゆだれ唐揚げ」が323円、税込348円という構成だ。

地域限定商品の作り方という観点で見ると、この企画には3年にわたる展開の積み上げが表れている。

今年で3年目となる今回、新たに加わったのが惣菜の「甘しょうゆだれ唐揚げ」だ。同社によれば、これまではおむすびと弁当が中心だったが、天神屋で人気の商品の味わいを再現した惣菜を加えることで、自宅での晩酌などおつまみとしても楽しめるようにしたという。

カテゴリーを1つ増やすという判断は、コラボ企画を続けるうえでの定石でもある。同じ商品を毎年出すだけでは新鮮さが薄れる。かといって全面的に作り替えれば、定着した商品を失う。看板商品は残しつつ、隣接するカテゴリーへ広げる形であれば、双方を満たせる。

看板商品の扱い方も工夫されている。「元祖たぬきむすび」は味をそのままに、大きめサイズとして発売する。同社は近い時期に、ご飯量を約1.6倍にした大容量おむすびも投入しており、量を増やすという方向性がここでも使われている。

3品の価格帯を並べると、285円、348円、650円となる。おむすびと惣菜を組み合わせれば633円、弁当1つとほぼ同じ水準だ。単品で完結する弁当と、組み合わせて食事を作る買い方の両方に対応する構成になっている。

地域限定という枠組みについても押さえておきたい。対象は約2,850店で、全国約16,100店の2割弱にあたる。全国展開の商品と違い、限られた店舗数で採算を合わせる必要がある一方、その地域では他のチェーンにない品揃えになる。同社は今回の企画を、地域に愛されることを目指した取り組みの一環と位置づけている。

監修元の天神屋は1954年の創業で、静岡県内に30店舗を展開する。おむすび、弁当、惣菜、静岡おでんの製造販売を手掛けており、天かすと刻みネギを混ぜたご飯を使った商品が看板メニューとなっている。

地域の食文化をコンビニの棚に載せるという手法は、他のチェーンでも見られる。ただ、3年続けて同じ相手と組み、カテゴリーを広げていくという形は、単発の話題づくりとは性格が異なる。地元の来店客にとっては馴染みの味が身近な店で買えることになり、県外からの来訪者にとっては土地の味に触れる機会になる。