株式会社パパスが展開するレディースブランド「Mademoiselle NON NON」は、2026年秋の新作を紹介するスタイル提案の第2弾を公開した。ライトアウターや小花柄のシャツ、デニムのシャツとスカートなど、普段使いしやすいアイテムでウェスタンとカントリーの要素を取り入れるという内容だ。
アパレルの売り方という観点で見ると、この発信の構成は参考になる部分がある。単品の新作を並べるのではなく、4つのスタイリングとして見せている点だ。
それぞれのスタイルには、使用したアイテムとその価格がすべて明記されている。ショートコートが税込63,800円、デニムパンツが34,100円、トートバッグが17,600円という具合だ。1つの着こなしを構成する3点前後をまとめて示すことで、来店客がどの組み合わせを買うかを想像しやすくなる。
さらに各スタイルには、差し替えや追加の提案が添えられている。アウターのインナーとして合わせられるブラウス、ニットベストの代わりに使えるカーディガン、パンツから替えるスカートといった形だ。1つの型を見せたうえで、そこから派生する選択肢を提示することで、購入点数が増える余地を作っている。
価格帯は全体的に高い。シャツが25,300円から39,600円、ニットベストが46,200円、アウターは63,800円と64,900円という水準だ。この帯域では、単品を安さで売るのではなく、着こなしの提案そのものが商品の価値を支える。スタイリング単位での発信は、その価格を納得してもらうための説明でもある。
商品を横断させる工夫も見られる。ショートコートの裏地に使われた花柄が、同じ柄のブラウスとアップリケのトレーナーにも展開されている。同じモチーフを複数の商品に落とすことで、まとめて買う理由が生まれる。ウェスタンをテーマにしたベアーのモチーフも、Tシャツとニットベストの両方に使われている。
発売時期をずらしている点も、売場の運営に関わる。今回紹介されたうち、フラワープリントブラウスは9月中旬、ウェスタンベアーのニットベストとフリンジカーディガンは9月下旬の発売予定とされている。すでに店頭にある商品と、これから入る商品を同じ提案の中で見せることで、再来店の動機を作る形だ。
テーマの選び方にも触れておきたい。ウェスタンやカントリーという要素は、装い全体を変えるのではなく、シャツやストール、小物といった一部に取り入れる形で提案されている。同ブランドは、どこか懐かしく今の気分にも合うスタイリングという表現を使っており、既存の顧客が普段の服装から大きく外れずに新しさを感じられる範囲に収めている。中高年層を主な顧客とするブランドにおいて、テーマの振れ幅をどう設定するかという判断が表れている部分だ。
同社は1978年3月設立で、東京都渋谷区広尾に本社を置く。